<新型コロナ>高齢者施設、警戒強める 県内11月 複数のクラスター発生

2020年11月19日 07時18分
 全国で新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、県内でも十一月に入って感染者が増えている。十八日には百二十六人の新規感染者が発表され、一日あたりでは過去最多を更新。複数の高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生しており、県や施設関係者は警戒を強めている。 (飯田樹与)
 今月二〜八日の一週間の新規感染者は三百五十七人で、前週(十月二十六日〜十一月一日)比で八十八人増加。十一日に百十六人と一日あたりの最多を更新し、一週間後の十八日にさらに十人上回った。
 目立つのが高齢者施設でのクラスターの発生だ。特に感染者が多い四カ所は施設名が公表されていて、朝霞市の介護付き老人ホーム「ラヴィーレ朝霞」では入所者五十人、職員十八人が感染(十八日現在)。高齢者施設や病院関連では県内最大のクラスターとなっている。また、県などによると、クラスター化はしていないものの感染者が出ている施設は他にも複数あるという。
 増加の要因について、県の担当者は空気の乾燥に加え、社会全体が新型コロナに慣れて「緩みがある」と指摘する。ただでさえ感染が拡大しやすい状況で、高齢者施設では職員と入所者が接触する機会が多く、感染が広がるリスクが高いという。
 県内で高齢者向けグループホームを運営するNPO法人では、感染リスクを抑えるため施設の職員に外食や旅行の自粛を求めているという。法人の理事長は「地域との交流を大切にしてきたが、職員が異様に部外者を拒否する傾向があり、ピリピリしている」と職員の心身の疲労を心配する。
 別の特別養護老人ホームの施設長は「どこの施設も一生懸命、努力して対策しているが、(市中の)至る所で感染者が増えている。無症状者もおり、どこからウイルスが施設に入ってきても仕方のない状況。毎日が恐怖」と厳しい現状を吐露する。また、職員に発熱などの症状が出ても風邪として扱われ、すぐにPCR検査を受けられないことがあるといい、「早く疑いを晴らすためにも、すぐに検査をしてほしい」と行政に安心して介護できる体制づくりを求めた。
 高齢者は感染すると重症化しやすく、治療の長期化で病床の圧迫にもつながりかねない。県はマスクの正しい着け方など基本的な予防策や、感染者が出た際の対応策を説明した動画を作成して注意を呼び掛けている。さらに月内にも高齢者施設の関係者らを集め、改めて対策の徹底を求めることにしている。

関連キーワード

PR情報

埼玉の最新ニュース

記事一覧