新型コロナ重症者、第2波ピーク上回る 「東京より先に大阪、愛知が逼迫予測」

2020年11月20日 12時12分
 全国の新型コロナウイルスの重症者数が16日、272人となり、「第2波」最多の259人(8月23日)を上回った。その後も増え続け、18日は280人。東京都や大阪府などでは、重症者用病床の使用率が25%を超えている。まだ余力はあるが、感染者の急増が続けば、重症者も増える。感染拡大を防がなくては医療崩壊を招きかねない。(土屋晴康、藤川大樹)

◆重症者用病床の使用率は25%

 東京都の19日の重症者は都の基準で38人。緊急事態宣言中の4月には100人を超えたこともあり、それに比べれば半数にも満たないが、1カ月前の10月19日の24人の約1.6倍に増えている。
 19日現在、都内の重症者用病床(150床)の使用率は25%。都は19日、独自の警戒度を最高段階へ引き上げたが、医療提供体制の警戒度は2番目に深刻な「体制強化が必要である」を維持した。

集中治療室の機能を備えた個室。人工心肺装置「ECMO」(左下)も設置されている=神戸市立医療センター中央市民病院で

 都内の感染症指定医療機関の担当者は「逼迫という状況ではない」と話す。今春の「第1波」と比べ、入院から退院までの期間が短くなり、重症患者も減っている。問題は今後だ。「来週以降は分からない」と感染拡大を懸念する。

◆「東京より先に大阪、愛知が逼迫予測」

 重症者は全国的に増えている。愛知県の重症者数は18日、前日よりも4人増えて19人になった。重症者用の病床利用率は27.1%に上昇した。
 大阪府はより深刻だ。重症者は1日には26人だったが、18日には72人に増えた。府は「最悪の場合、12月上旬には重症者数が病床数を上回る可能性がある」という厳しい見方を示している。
 「病床で言えば、東京より先に大阪と愛知が逼迫してくると予測している」。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーの1人はそう話す。

◆一般病床から転換「2~3週間かかる」

 感染拡大時に備えて、都道府県が確保する病床の一部は普段、一般病床として使われている。転換には「2~3週間かかる」といい、「感染の拡大が急激だと対応できなくなる」。
 愛知県内のある病院では10月下旬から再び入院患者が増加中。担当者は「今は回復して退院する患者が多いが、この傾向がいつまで続くか」と口にした。
 厚生労働省のまとめによると、これまで、全国で重症者が最も多かったのは4月30日で328人。PCR検査や患者の入院が遅れ、患者の重症化にもつながった。第2波では検査・医療体制が整い、重症者は減っていたが、最近は1週間ごとに約1.23倍で増加中。このペースが続けば、単純計算では、18日の280人が1週間後の25日には344人になり、最多を更新する。
 日本医師会の中川俊男会長は18日、「重症者には呼吸管理などでマンパワーを中心に、多くの医療資源を必要とする。医療崩壊を防がないといけない。われわれの思いに耳を傾けてほしい」と呼びかけた。

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