東京都、新型コロナで飲食店への時短要請は見送り 警戒度「最高」なのに、なぜ?

2020年11月20日 10時29分

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、記者会見する東京都の小池百合子知事=都庁で

 東京都は19日、新型コロナウイルスの感染状況についての警戒度を最高レベルに引き上げる一方、飲食店などへの営業時間短縮の要請は避けた。政府は自治体への財政支援策を打ち出し、時短営業要請を促すが、都は忘年会シーズンを前に事業者に深刻な影響が出かねないと懸念。感染拡大の抑止効果への疑問や、莫大な経費も勘案し、見送ることにした。
 「重症者は増えていない。最も効率的な方法は何か、専門家の意見もベースにしながら(判断した)」。小池知事は19日の会見で時短営業を要請しない理由をこう強調した。
 都関係者によると、背景には感染経路の変化がある。今夏、都が酒類提供の飲食店やカラオケ店を対象に午後10時までの時短営業を要請した際は、感染の中心は接待を伴う飲食店など「夜の繁華街」だった。8月3日までの1週間で感染経路判明者の19%を占め、会食での感染も14%に上った。
 だが現在は、家庭内や施設内での感染が増加。今月16日までの1週間で夜の繁華街関連は3%、会食が8%だったのに対し、家庭内が42%。施設内が16%。都幹部は「いま飲食店に時短要請をしても、どこまで効果があるか。科学的裏付けもなく、厳しいお願いはできない」と話す。
 事業者に払う協力金の財源問題も大きい。都は前回の時短要請で165億円を予算化している。政府は今回、事業者への協力金について月最大60万円の8割まで負担する方針だが、特定エリアに絞った要請を想定しており、各都道府県の店舗数の2割が上限。多くの繁華街を抱える東京都の場合、国の枠組みでは賄いきれない。都幹部は「国の支援は必要な財源のごく一部にしかならない」と漏らす。(岡本太)

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