神田紅が一席 アフガンに散った中村医師の偉業 27日、国立演芸場 講談の独演会

2020年11月20日 07時48分
 講談師の神田紅(くれない)(68)=写真=が二十七日に開催する独演会で、アフガニスタンに散った中村哲医師(一九四六〜二〇一九年)の偉業を題材にしたオリジナルの一席「アフガニスタンに用水路を拓(ひら)いた医師 中村哲」を披露する。昨年十二月、武装集団に襲撃され命を落とした中村医師の一周忌を前に、同じ福岡出身の紅は「中村先生の崇高な人生を多くの人に伝えたい」と話す。
 社会派の創作講談を多数手掛けている紅は、アフガニスタンで医療活動や農業復興、灌漑(かんがい)事業など人道支援に尽くした中村医師の死に強い衝撃を受けた。「世界を救う日本人」をテーマにした講談を創作をしたこともあり、中村医師の功績もテーマにしようと決めた。
 講談化に当たり、中村医師の活動を映像や著書で片っ端から頭に入れた。中村医師が現地代表を務めた非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)への取材も重ねた。
 仕上げた約四十分ほどの一席は、大干ばつでは約千六百本の井戸を掘った話、農民を守ろうと約七年がかりで二十五キロ以上の用水路を完成させた話、「カカムラド(情熱おじさん)」の愛称でパキスタンやアフガニスタンの人々から親しまれた中村医師の温かくも熱い人柄などにも触れている。
 紅は新型コロナウイルス禍で高座もままならず、ふさぎ込みがちになっていたが、同郷の中村医師の志、高潔さをかみしめ「自分がいかにちっぽけな人間か、それを思い知るために創作したところもある。映像ではなく話芸でどう伝えるか、今も研究している」と力を込める。
 独演会は二十七日午後六時半から、東京・国立演芸場で。クロスポイント=(電)03・3586・5020。 (ライター・神野栄子)

中村哲医師=2016年11月、アフガニスタン東部ジャララバード郊外で(共同)


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