<ふくしまの10年・元牛飼い2人の軌跡>(9)飼料栽培「まだまだ広げる」

2020年11月20日 07時52分

牛の飼料となるデントコーンの収穫=南相馬市で(相馬秀一さん提供)

 現在、南相馬市小高区の元酪農家、相馬秀一さん(44)が飼料作物用に手掛ける農地はデントコーン(飼料用トウモロコシ)用が二十四ヘクタール、牧草用が三十五ヘクタールの計五十九ヘクタールに及ぶ。例えるのも難しい広さだが、東京ドームの十二倍、上野動物園の四倍の広さ、東京ディズニーランドよりも二割近く広い。
 「自前の農地は元牛舎の周りだけで、あとは全部お借りしている土地。まだまだ広げていきたい。コーンも牧草も半年先まで販売予約済みで在庫はゼロ。農地は守れるし、飼料の国内自給率を上げることにもつながると思ってやってますよ」と相馬さん。
 日本の飼料自給率は25%(二〇一八年度、農林水産省調べ)。牧草類は76%と意外に高いが、コーンなど濃厚飼料は12%と大半を輸入に頼っている。
 国は五年後に牧草類を完全国内自給、濃厚飼料を20%に高め、飼料全体で自給率を40%にまで高めることを目標にしている。
 相馬さんは「近年は輸入飼料は値上がり傾向にある。転作の補助金も活用すれば価格面でも十分に国産で対抗できている」と話す。
 原発事故前は酪農で年間一億円超の売り上げがあったという相馬さん。飼料販売業に転じた後の年商は二千五百万円ほど。どこまで回復していけるのか、経営手腕の見せどころはこれからだ。
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