新たな働き方を可能にする労働者協同組合法案、衆院委員会で可決

2020年11月20日 21時24分
 働く人が自ら出資して運営に携わる「協同労働」という新たな働き方を実現する労働者協同組合法案は、20日の衆院厚生労働委員会で、各党の全会一致で可決された。法案は24日の衆院本会議で可決、参院に送付する。今国会中に成立する見通し。
 採決に先立つ質疑で、法案のとりまとめ役を担った公明党の桝屋敬悟氏は「今後さまざまな形で多くの団体、個人が協同労働の働き方を求めて立ち上がるのではないかと期待している」と答弁した。
 法案では、協同労働を担う組織「労働者協同組合」を設立するための規則を定めた。▽組合員が出資▽組合員の意見を反映▽組合員が組合の事業に従事―との3原則に基づいて運営されることを規定。労働者が自らやりがいを感じられる仕事をつくり、主体的に働ける仕組みを整えた。
 法案は全党・全会派の賛同による議員立法として先の通常国会に提出された。関係者は、多様な就労機会の創出や担い手不足の事業への参入を期待する。(坂田奈央)

◆衆院厚労委の質疑要旨

 衆院厚生労働委員会で20日行われた、労働者協同組合法案に関する法案提出者に対する質疑の要旨は次の通り。
 伊佐進一氏(公明)労働者のための協同組合制度を作る法案の目的は。
 提出者・橋本岳氏(自民)組合員が出資し、それぞれの意見を反映して事業を行い、組合員自らが事業に従事することを基本原理とする、労働者協同組合を法制化する法案だ。多様な就労の機会が創出されるとともに、地域の多様な需要に応じた事業が促進され、持続可能で活力ある地域社会の実現に資すると考える。
 大島敦氏(立憲民主)組合員全員に労働基準法などの労働関係法規が完全に適用されるか。
 提出者・西村智奈美氏(立民)理事や監事以外の組合員との労働契約締結を義務付ける。ブラック企業による搾取の防止を図る趣旨だ。労働契約を締結した全員に労働関係法規が完全に適用される。労働者であれば、労働組合の結成も可能だ。
 高橋千鶴子氏(共産)事業を優先するあまり、賃金を低くするなど労働法規を守らなくなる危険性はないか。
 提出者・宮本徹氏(共産)最低賃金の確保と労働法制の順守がなされるべきことは当然だ。法案成立後に厚生労働相が定める指針で、労働法規を順守することや、公正な競争を阻害する活動は行わない旨が明らかにされると考える。
 青山雅幸氏(維新)NPO法人と労働者協同組合の違いは。
 提出者・足立康史氏(維新)設立にNPO法人は都道府県知事の認証が必要だが、労働者協同組合は法定の要件を満たせば可能だ。
 提出者・桝屋敬悟氏(公明)NPO法人は社員自ら出資ができない。労働者協同組合は(組合員)自らが出資ができる主体性がある形だ。

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