佐野らーめん予備校1期生、元野球少年が夢追い修業中 「ラーメンの世界で一番になる」

2020年11月21日 11時55分
そば切り包丁で生地を切る作業を学ぶ三宅辰平さん(左)=13日、栃木県佐野市で

そば切り包丁で生地を切る作業を学ぶ三宅辰平さん(左)=13日、栃木県佐野市で

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 栃木県佐野市で今月開校した「佐野らーめん予備校」で、多数の受講希望者の中から第1期生に選ばれた4人。このうち最年少で愛知県豊明市から参加した三宅辰平さん(21)は、本紙記事で募集を知ったという調理の経験が全くない元野球少年。縁もゆかりもない世界に体一つで飛び込み、麺道を究めるため、精進を続けている。(梅村武史)
 身長182センチの巨漢が大粒の汗を流しながら格闘していた。佐野らーめん独特のちぢれ麺を作る工程。めん棒でのばした生地を、そば切り包丁を使って細長く切りそろえる。指導者の手ほどきを受けながら、ぎこちない所作で何度も何度も挑戦。だが、形が整わず、四苦八苦していた。
 プロ野球選手になることが夢だった。小学1年生から野球を始め、高校は強豪の至学館(名古屋市)に進学。ポジションは捕手。中日の谷繁元信選手にあこがれ、厳しい練習に明け暮れた。3年の春、チームは甲子園出場を果たしたが、自身はベンチ入りできず、裏方としてチームを支えた。
 当時の心の支えは部活帰りに通った名古屋市内のラーメン店。「味も店主のおじさんの人柄も大好きだった」と振り返る。「しっかり食えよ」「体は大丈夫か」という言葉に励まされた。
 卒業後、リース会社に入社。日々の業務に忙殺される中、佐野らーめん予備校の募集を知った。高校時代、お世話になったラーメン店主の笑顔が浮かんだ。
 「野球では1番にはなれなかった。ラーメンの世界で1番になれるよう頑張る」と決意を口にした。いつか人気店の店主になり、地元愛知県に佐野らーめんのチェーン店を作ることが夢だ。

 ▽佐野らーめん予備校 後継者問題に悩むラーメン店主の育成と市内への移住定住に結びつける市の事業で、国の地方創生推進交付金を活用している。1期生に、愛知、神奈川、茨城、群馬の4県から21~40歳の男性4人を選んだ。12月下旬まで基礎研修を行い、来年から能力や希望に合わせて個別の本格研修に移行する。2期生以降も今後募集を予定している。

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