【独自】イージス艦2隻で5000億円超 政府の代替案、地上配備型の2倍

2020年11月24日 15時53分
 政府が進めている地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の代替案の検討で、有力となっているイージス艦を新造する場合、費用は2隻で計約5000億円超との試算が出ていることが、関係者への取材で分かった。迎撃ミサイルのランチャー(発射機)など米国から購入が見込まれる装備品の金額が流動的な面もあるが、地上イージスの倍程度の費用がかかることになる。
 今年3月に就役した最新鋭イージス艦「まや」の建造費は約1720億円でこれと比べても約1.5倍。地上配備計画の撤回で宙に浮いた形になっている米ロッキード社製のレーダー「SPY―7」を搭載するためには船体の大型化が必要なことなどから割高になるとみられる。
 地上配備計画の撤回後、政府は代替案の検討を進め、防衛省は9月、与党に(1)護衛艦 (2)民間船舶 (3)石油採掘装置のような「海上リグ」の利用― の3案を示し、運用の柔軟性や自己防護などの点からイージス艦の新造が有力になっている。
 こうした中で防衛省は三菱重工業など民間業者2社に技術的な課題の調査研究を求め、中間報告が寄せられた。それらを踏まえると、新造には1隻当たり約2500億円かかるとの試算が出たという。
 政府は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、秋田、山口両県の陸上自衛隊の演習場に地上イージスの配備を計画。中期防衛力整備計画では1基あたり1224億円を見込んでいた。だが、迎撃ミサイル発射後に切り離される約200キログラムのブースター(初期加速装置)を演習場内に確実に落下させるには、改修に2200億円以上の費用と10年以上の期間がかかる見通しになったとして6月に撤回していた。(荘加卓嗣)

関連キーワード

PR情報