コロナ禍「生きるヒントに」 君津で企画展 疫病と地域の信仰探る

2020年11月22日 07時37分

わらで編んだ等身大の鹿島人形などを展示した企画展。疫病退散を祈った信仰の様子が見て取れる=君津市立久留里城址資料館で

 わらを編んだ人形やしめ縄を集落の入り口に飾る「道切り」などを通じ、君津地域の人々が疫病にどう向き合ってきたかを探る企画展「疫病ときみつの信仰−道切りを中心に−」が君津市の市立久留里城址(じょうし)資料館で開かれている。新型コロナウイルス感染症をきっかけに企画され、実物や写真など計七十七点の資料を紹介している。十二月二十七日まで。 (山田雄一郎)
 資料館によると、道切りは疫病や災厄が集落に侵入するのを、人々が力を合わせて防ぐ共同祈願。君津市内では「しめ張り」や「綱より」の名で集落へ入る道に綱をかけたり、等身大の人形を立てる「鹿島様」「人形だんご」などの行事が知られる。近隣では富津市関尻の「大わらじ」や木更津市金田の「綱吊(つ)り」が有名。これらの行事は新年や秋に行われる。
 今回の展示は、資料を「神仏と疫病」「身近な厄除(やくよ)けの形」「境界と道切り」の三つに大別し、疫病終息を祈った人たちの息遣いが伝わる内容とした。

君津市俵田の鹿島人形。左手にやりを持ち、悪霊を退散させると伝えられる=君津市俵田で、2007年10月撮影(市立久留里城址資料館提供)

 とりわけ目を引くのが等身大の鹿島人形で、今回の展示に合わせて制作したものも含め展示。資料館によると、県内で伝わるのは小櫃(おびつ)川流域に当たる君津市の三カ所(俵田、大坂、広岡)と袖ケ浦市の一カ所(阿部)の計四カ所だけ。全国的にも珍しく、かつては君津地域の十九カ所で作られていたという。
 このほか疫病を鎮めるものとして信仰された融通念仏のうち、「百万遍念仏」として多くの人々が使った大型の数珠なども展示されている。
 資料館では当初、美術関係の展示を計画していた。しかし、新型コロナで世相が暗くなる中、疫病を払うとされる妖怪「アマビエ」が脚光を浴びたことから、「君津でも身近な信仰を紹介しよう」と道切りを取り上げることになった。
 資料館の布施慶子主査は「疫病と向かい合ってきた信仰が、今もまじないや行事に息づいている。コロナ禍を生きるヒントを与えてくれると思う」と話す。
 午前九時〜午後四時半。毎週月曜は休館。ただし、三連休中の今月二十三日は開館し、翌二十四日を休館とする。無料。来館者が多数の場合は、新型コロナ対策で人数制限を行うこともある。
 問い合わせは、資料館=電0439(27)3478=へ。

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