「もう、ここには住めない」 地下を日本最大のシールドマシンが通過、自宅の真下に高さ4mの空洞が… 調布・外環道トンネル工事

2020年11月23日 08時52分

21日のボーリング調査で、市道や住宅の地中に新たな空洞が見つかった現場=東京都調布市東つつじケ丘で

 東京都調布市の東京外かく環状道路(東京外環道)トンネル工事ルート上にある住宅街で起きた道路陥没現場付近で、新たに地中の空洞が見つかったと東日本高速道路(NEXCO東日本)が22日、発表した。NEXCO東日本は「工事と空洞の因果関係は現時点では不明」とし、原因調査を続けながら空洞を埋め戻す準備に入った。陥没現場付近で空洞が見つかったのは2カ所目。

◆空洞の長さ27m、幅3m、内部の高さ4m

 今回の空洞は21日のボーリング調査中に、10月18日に陥没が発生した現場から1本南の市道で見つかった。深さ4メートルの場所に、南北に長さ27メートル、幅3メートル、内部の高さ4メートルの空洞が開いているのが確認された。空洞の上には、市道を挟んで3つの住宅がある。今月3日には、陥没現場から約40メートル北の空き地で、長さ約30メートルの空洞が見つかっていた。

◆国内最大直径16mのシールドマシンが通過

 今回空洞が見つかった場所の地下約47メートルでは、9月11~12日ごろ、直径16メートルの国内最大のシールドマシンが通過。地下から継続的な振動や騒音が発生し、周辺の住宅街で亀裂ができたり、外壁タイルが剥がれ落ちたりするなどの被害が出ていた。
 NEXCO東日本による原因調査は12月中旬までの予定だが、今回空洞が見つかった場所は、レーダー探査車による空洞調査では何も見つからなかった。レーダーが届くのは地表面から2メートル程度。ボーリング調査の地点数を大幅に増やす必要があり、調査期間が長期化する可能性もある。

◆欲しかった庭付き一戸建てが…

 「これじゃ、もうここには住めない」。自宅の真下4メートルに巨大な空洞が見つかった、東京都調布市東つつじケ丘の住宅街に住む50代男性は、そう言って天を仰いだ。
 21日夜から22日にかけ、入れ代わり立ち代わり説明にやってくるNEXCO東日本の担当者に「うちの地下に勝手に穴を開けて、今度は埋め戻すとはけしからん。工法や工期をきちんと説明しなさい」と怒った。今後は自宅の買い取りを含め補償交渉を求めていく考えという。
 「庭付きの家が欲しい」と17年前、静かな環境を求め越してきた。京王線つつじケ丘駅に近く、緑が多い環境を気に入っていた。
 「異変」に気付いたのは9月半ばだった。「ガッシャーン」。市道を挟んだ目の前の住宅の外壁が剥がれ、路上に落ちる音を聞いた。地下から、毎日続く振動と騒音にも悩まされ、自宅のブロック塀に亀裂が走る被害も出た。そして今回の空洞。全長27メートルのうち10メートル以上、ほぼ自宅の敷地を南北に貫かれていた。
 「日本の土木技術は世界トップで、地下のトンネル工事も安全に通過してくれるのではと信じていたのに」(花井勝規)

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