ハンセン病と闘い23歳で早世の作家・北条民雄に焦点 来月19日 東村山で無観客イベント、配信も

2020年11月23日 07時16分

北条民雄の文学イベントをPRする(右から)ドリアン助川さん、吉岡忍会長、渡部尚市長=東村山市役所で

 ハンセン病療養施設「全生病院」(現多磨全生園=東村山市)で病と闘い、23歳で世を去った作家、北条民雄(1914〜37年)に焦点を当てた文学イベントが12月19日、同市内で開かれる。総合プロデュースを担当する作家ドリアン助川さんは「北条は過酷な人生の中で生きることと向き合い、生きることを書いた。コロナ禍の今、ぜひ若い人たちに北条作品に触れてもらいたい」と力を込める。 (林朋実)
 イベントは「北条民雄と多磨全生園」と題し、午後三時〜五時半に無観客で開催。ユーチューブの日本ペンクラブ公式チャンネルで生配信する。全国各地でゆかりの作家を掘り下げる同クラブの企画「ふるさとと文学」の六回目。市が主催し、同クラブが共催、企画監修する。
 ドリアンさんは今月十七日、日本ペンクラブの吉岡忍会長と市役所で記者会見し、ハンセン病の元患者が登場する小説「あん」を執筆する際に北条の作品に出会ったと説明。「三十代で初めて読んだ当時も圧倒された。五十代になって改めて全集を読み返すと、苦しみと対峙(たいじ)しながらペンを握り締めたこの人の魂を若い人と共有したいと感じる」と話した。
 北条は川端康成に才能を見いだされ、施設入所初日の出来事をつづった「いのちの初夜」を文芸誌で発表した。イベントでは「いのちの初夜」を俳優の中井貴恵さんが朗読。人間国宝の講談師神田松鯉(しょうり)さんとドリアンさんはピアノ演奏に合わせ、北条と川端の書簡を朗読する。俳優竹下景子さんとドリアンさんの対談、全国ハンセン病療養所入所者協議会の藤崎陸安(みちやす)事務局長らによるシンポジウムもある。
 「いのちの初夜」は今月、角川文庫から復刊される。渡部尚市長は「北条は今、再評価の機運がある。ぜひ広く読んでもらいたい」と呼び掛けている。

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