モダンな出入り口 村井美樹さん

2020年11月24日 06時28分
 吾妻橋の近くにある、東京メトロ銀座線・浅草駅の4番出入り口=写真(上)。一見、浅草寺をイメージしたいかにも浅草らしい外観ですが、鉄格子の丸い飾りをよく見ると「地下鉄出入口」の文字が。モダンな意匠がカッコ良くて、丸窓好きにはたまりません。この出入り口は、1927(昭和2)年に銀座線の前身・東京地下鉄道(上野−浅草)が開通した当時の姿を残しているそう。
 設計をしたのは日本の近代を代表する建築家、今井兼次。あのサグラダファミリアのガウディを日本に初めて紹介した人としても知られています。今井はヨーロッパ諸国の地下鉄駅を研究するために外遊し、上野−浅草間の地下鉄出入り口をデザインしました。
 稲荷町駅の浅草方面の3番出入り口=写真(下)=も今井が手がけたものです。朱塗りの寺社風の浅草駅とはまた違い、タイル貼りのアール・デコ調デザイン。丸くくりぬかれた壁に鉄格子の細やかな飾りがやはり印象的です。暗くなりがちな地下鉄を、どちらも個性的な出入り口で彩っていて、昭和初期のエスプリが効いていますよね。

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