<新型コロナ>ひとり親世帯向け食料支援 広がる輪 横浜市の収入減対策

2020年11月24日 07時10分

ひとり親を支援する横浜市の事業で、米などの食料を受け取る女性(右)=横浜市保土ケ谷区で

 新型コロナウイルスの影響で収入に不安を感じているひとり親世帯に、横浜市や市社会福祉協議会が食料を届けている。在庫を余らせた企業などから食料を仲介する支援団体への寄付も増えており、関係者は「厳しい現状をきっかけに、支援が広がれば」と期待する。 (米田怜央)
 「いつまでコロナの流行が続くか分からず、出費を抑えざるを得ない」。ひとり親を対象にした横浜市の食料支援を受ける今坂智子さん(55)=同市旭区=は厳しい現状を訴える。パートとして働く広告代理店での出勤日は半分ほどに減った。休業手当は出ているが、先行きには不安が付きまとう。そんな時に「誰かがこっちを向いて応援してくれていると思える」。
 市は八月から市内で月十回以上配布を続ける。上限は各回六十世帯で、来年三月までの方針だ。同様の支援は市社会福祉協議会も行う。七〜九月、五百世帯に十日分の食料を宅配。第二弾として今月二十七日まで七百五十世帯分の申し込みを受け付けている。
 これらの活動の原資にもなっている食料寄付も増加傾向にある。市に食料を仲介する「フードバンクかながわ」(同市金沢区)への四〜九月の寄付は、昨年同時期比で二倍超の百六トン。全国フードバンク推進協議会(東京都)が加盟する全国三十八団体に実施したアンケートでも約七割が「増えた」と回答した。
 フードバンクかながわの藤田誠事務局長は「飲食店や小売店の営業自粛で食品を余らせた企業から寄付が続いた」と解説する。一方で「ひとり親はもちろん、収入を失った学生からも助けを求める声がそれ以上に出ている。余裕はない」とも訴える。
 表に出ていない訴えを指摘する声もある。市社会福祉協議会の担当者は「普段から頻繁な問い合わせはないが、配布の受け付けを始めると申し込みが続く。声を上げられない人がまだまだいると考える」。市の事業を利用する三十代女性も「遠慮や恥ずかしさから、声を上げにくい気持ちは分かる」と明かす。
 こうした現状を踏まえ藤田事務局長は「これまでもいた食の足りない人が、コロナであらわになってきた。支援は広がってきたが、十分ではない。寄付や配布などそれぞれができることをしてほしい」と話した。
 市と市社会福祉協議会の食料配布の申し込みは、それぞれ市母子寡婦福祉会と同協議会のホームページから。

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