宇宙の覇権争い激化 中国が月探査機打ち上げ 土壌サンプル採取成功なら3カ国目

2020年11月24日 21時08分
 中国の月面無人探査機「嫦娥じょうが5号」を搭載した大型ロケット「長征5号」が24日、海南省文昌の発射センターから打ち上げられ、予定軌道への投入に成功した。月面の土壌サンプルを採取後、離陸して月周回機体とドッキングし、地球に持ち帰る計画。成功すれば月への有人飛行や月面基地計画が本格化する。安全保障面からも宇宙の重要度が増す中、米国も有人月探査計画を進め、競争は過熱しそうだ。(海南省文昌で、坪井千隼)

24日、中国海南省から月面無人探査機「嫦娥5号」を搭載して打ち上げられた大型ロケット「長征5号」=AP

 24日午前4時半、ロケットエンジンが点火され、ごう音が響くと、偉業達成を願い、近くの浜辺で見守っていた観衆から「おおー」と歓声が上がった。
 中国は昨年、世界初の月裏側への着陸を「嫦娥4号」で成功。今回の土壌サンプル持ち帰りも高い技術力が必要で、米国と旧ソ連(ロシア)に続き3カ国目となる。2030年に「宇宙強国」となる目標を掲げる習近平しゅうきんぺい指導部は30年以降に有人月探査、月面基地建設を行い、45年に火星有人探査を実現する構想だ。

◆トランプ政権は先行、バイデン政権は優先度低下の可能性も?

 これに対し、宇宙空間を巡っても覇権を争う米国は警戒する。米トランプ政権は昨年3月、「アルテミス計画」を発表。中国に先行して24年に有人月探査、28年に月面基地建設を実施し、30年代には火星有人探査を成功させる目標で、日本も参加予定だ。
 ただ、計画には膨大な予算が必要となる。宇宙政策にくわしい鈴木一人・東京大教授(国際政治経済学)は、バイデン次期大統領について「環境政策を重視しており、予算がかかる宇宙開発の優先度が低下する可能性がある」と指摘した。

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