変わる大学ミスコン・ミスターコン ルッキズムや性差別助長への批判受け…学生たちが在り方を模索

2020年11月24日 17時00分
 大学の“顔”を選ぶミスコンテスト・ミスターコンテスト(ミスコン・ミスターコン)。アナウンサーの登竜門として注目を集める一方で、外見至上主義や性差別を助長するという批判を受けてきた。そんな中、時代の変化に合わせた在り方を模索する動きが学生の間から出てきている。 (奥野斐、北條香子)

◆「ミス」「ミスター」を廃止、大会を新設した上智大

「ソフィアンズコンテスト」で社会課題や自身の魅力を発信した6人(ソフィア祭実行委員会提供)

 上智大は「ミス・ミスターソフィア」の名称を「ソフィアンズコンテスト」に改め、性別を問わず出場できるようにした。第1回となる今年は、コロナ禍でオンライン開催となったが、11月3日に実施された。
 「従来のミスコンはウエディングドレスを着るなど、性別による画一的な価値観を押しつけているのではという指摘があった。性別や国籍にとらわれず、全上智生に開かれたコンテストを目指した」と実行委員会の同大2年、荒尾奈那さん(19)が説明する。
 新たなコンテストでは、自己PRに加え、持続可能な開発目標(SDGs)に関する社会課題への発信力を審査基準とした。本選に進んだ男女6人は、それぞれがツイッターやインスタグラムなどの会員制交流サイト(SNS)で考えや活動をアピール。ジェンダー平等や気候変動などの環境問題に関心がある人が多かったという。
 「コンテストは、自分を成長させたい大学生を応援する場であり、見える上智生として大学の魅力を発信しうる場。時代に合った形を模索しながらコンテストが持つ良さを引き継いでいきたい」と荒尾さん。

◆慶応SFCはミスコン・ミスターコン残しつつも性別は問わず

ミスターSFCコンテストの参加者。前列左が篠原かをりさん(慶応大学SFC秋祭実行委員会提供)

 慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)でも10月、オンラインで開催した秋祭をミスコン・ミスターコンのグランプリ発表で締めくくった。同大大学院政策・メディア研究科2年の篠原かをりさん(25)は、ミスターコンファイナリストの1人としてタキシード姿で壇上に。グランプリ、準グランプリの受賞は逃したが、受賞者に拍手を送る姿に、悔いのない達成感をのぞかせた。
 SFCのミスコン・ミスターコンで、性別を問わずに本人が出場したい方のコンテストにエントリーできるようにしたのは今年が初めて。運営統括を務めた総合政策学科2年の山村宗一郎さん(21)は「ジェンダー問題への意識が高まるとともに、ミスコン・ミスターコンの存在意義も問われていて、従来のままではコンテスト自体が形骸化してしまう。学生の商品化で終わらせてはいけない」と危ぶむ。
 一方で従来の大会が好きなファンにも配慮し、一気に新しい形に移行することは難しいと考えた。新しい大会への橋渡しとして今年の大会を位置付けた結果、ミスコン・ミスターコンという枠は残しつつも、性別を問わない形にした。ミスコンに男性、ミスターコンに女性からの応募がそれぞれあったという。ファイナリスト選出やグランプリの審査基準は公表していない。
 山村さんが考えるミスコン・ミスターコンの存在意義は、大会を通じて出場者の夢の実現を多方面で応援すること。山村さんは「完成形とは言えないが、新しいものへ変化するスタートは切れた。今のままではいけないという危機感を、他大学や下の代に伝えられたと思う」と話す。

◆大学側からの動きも…法政大は「容認できるものではない」

 このほか、東京大学新聞は今年4月、「駒場祭、ミス・ミスターコンを考える/秋の風物詩、そのままでいい?」という記事を掲載し、問題提起した。
 学生側だけでなく、大学側からの動きもある。法政大学は昨年11月、学生らが非公認でミスターコンの開催を進めていたことを受け、学生に向けた通知で「主観に基づいて人を順位付けする行為は、(同大が進めるダイバーシティの)『多様な人格への敬意』と相反するもの」として、ミスコン・ミスターコンは「容認できるものではない」と宣言した。

関連キーワード


おすすめ情報