<東海第二原発 再考再稼働>(20)画期的「茨城方式」新潟でも 「柏崎刈羽原発30km圏内議員研究会」会長・関三郎さん(71)

2020年11月25日 07時24分
 日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働に対して、立地する東海村を含めた周辺六市村が二〇一八年に実質的な事前了解権を勝ち取っている。全国初の画期的な成果だ。この「茨城方式」を、東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県でも実現したい。
 東電福島第一原発事故後、原発事故に備えた広域避難計画の策定を義務づけられる市町村が、事故前の八〜十キロ圏内から三十キロ圏内に拡大された。柏崎刈羽原発の場合、立地自治体の柏崎市と刈羽村のほか、私が暮らす見附市など七市町が対象となる。
 だが、この七市町は避難の原因となりうる原発の再稼働に何も言うことができない。これはおかしい。そこで八月末、超党派の「柏崎刈羽原発30km圏内議員研究会」を設立。柏崎市を加えた八市町の地方議員有志で、それぞれの首長に「茨城方式」の導入を東電と交渉するよう働き掛ける取り組みを始めた。
 メンバーは現在、八市町の正会員と八市町以外のオブザーバーで約六十人。革新系が多いが、保守系も参加している。私自身も自民党員だ。
 福島事故後に策定された原発の新規制基準で、追加の安全対策工事が行われることになり、避難計画を策定するべき自治体も増えた。電力会社は、旧基準で「絶対安全」ということで建設した原発を、「実は絶対安全ではなかったから、施設を改良し、周辺自治体にも避難計画をつくってもらった上で再稼働したい」と言っていることになる。
 それなら、相当に高いハードルを越えてもらわなくてはならない。ましてや柏崎刈羽は、福島の事故を起こした東電の原発だ。
 新潟県の有識者会議が原発事故に関して進める「三つの検証」は、二二年の知事選までに最終報告が出るとみられる。花角(はなずみ)英世知事は、それを見て再稼働について民意を問うと発言している。次の知事選が柏崎刈羽再稼働の大きな節目になる可能性がある。
 研究会では、東海第二の周辺六市村が原電と結んだ新安全協定を参考に、知事選一年前の来年五月までに協定案を完成させ、首長たちとの話し合いに臨みたい。
 「三つの検証」を取りまとめる池内了(さとる)・総括委員長(名古屋大名誉教授)は、最終報告の前にタウンミーティングを開催する意向だ。県民に「茨城方式」を知ってもらう機会になればと期待している。われわれの研究会も住民アンケートを予定している。
 研究会の目的は「再稼働反対」ではない。事前了解権に基づいてそれぞれの自治体で判断し、その結果、賛成する自治体があっても反対する自治体があっても良い。各自治体が、覚悟を持って意思表示できる状況をつくることが重要だ。
 首長たちの理解を得るハードルは高いだろう。しかし、再稼働の賛否や思想信条の違いを超えて研究会を立ち上げた団結力が、良い結果を導き出せると確信している。 (聞き手・宮尾幹成)
<せき・さぶろう> 1949年、新潟県見附市生まれ。日本大卒。地元スーパー「マルイ」の商品開発担当を経て、2006年の市議選で初当選。現在4期目で、保守系会派「見政会」に所属。14〜16年に副議長を務めた。自民党見附支部幹事長。

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