「アウティング許されない」判決に遺族が涙 「時代変わってきた」 一橋大の同性愛暴露訴訟  

2020年11月25日 19時05分
 「アウティングが許されない行為であると認められたことだけで、大変うれしく思っている」。
 同級生から同性愛を暴露される「アウティング」被害を受け、一橋大の校舎から転落死した法科大学院の男子学生=当時(25)=の両親が大学を相手に損害賠償を求めた控訴審判決。父親(65)、妹(28)と判決を聞いた男子学生の母親(58)=名古屋市=は、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、涙ながらに語った。

判決後の記者会見で思いを語った(左から)男子学生の妹、母親、父親=25日、東京・霞が関の司法記者クラブで

 判決では遺族の請求は棄却されたものの、村上正敏裁判長が判決理由で、アウティングについて「人格権ないしプライバシー権などを著しく侵害するものであり、許されない行為であることは明らか」と、一審で触れられなかった点を読み上げてまで言及した。
 原告代理人の南和行弁護士は「不法行為だということ。ここまで裁判官が文字にしてくれたことに敬意を表したい」と評価した。
 男子学生の死から5年。大学の安全配慮義務違反は再び退けられたものの、一橋大のある国立市が2018年4月に全国で初めて、アウティング禁止を明記した条例を施行するなど対策が進む。父親は「アウティングはいけないと、自治体や大学などの組織で認知されてきた。時代が変わってきた」と話した。
 妹は「一橋大は、人を助けたいと法律家を志した兄が学ぶことを夢見た大学。誰もが安心して学べるような大学になってほしい」と訴えた。(奥野斐)

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