「4000万人中180人」 コロナ流行とGoToの因果関係、野党の指摘を首相否定

2020年11月26日 06時00分

衆院予算委で答弁する菅首相

 25日に開かれた衆参両院の予算委員会では、観光や飲食を支援する政府の「GoTo」事業と新型コロナウイルス流行との関連性を指摘し、事業の抜本的な見直しを求める意見が野党から相次いだ。政府は因果関係を否定し、菅義偉首相は経済対策としての必要性を重ねて強調した。(井上峻輔、市川千晴)

◆枝野氏「あぶ蜂取らずだ」

 「Go To トラベルが感染拡大を助長したのではないか。この春先、人の接触を7、8割減らすよう求めたのは間違いだったのか」
 立憲民主党の枝野幸男代表は衆院予算委で、政府による観光支援が再流行を招いたとの見方を示した。
 飲食業を支える「Go To イート」も含め「移動が活発になれば感染が広がる。政府がキャンペーンを始めたから、安心して旅行や会食していいというメッセージになった」と指摘。経済と感染対策の二兎を追う政策を「あぶ蜂取らずだ」と批判した。対案として予備費を活用した事業者への財政支援と、コロナ感染の徹底した検査を提案した。
 政府はこれまで一貫してGoTo事業の見直しに消極的だったが、感染拡大に危機感を募らせた専門家からの求めに応じ、先週末の3連休が始まった直後に再検討を開始。24日にはトラベル事業の対象から札幌、大阪の2市を一時除外する決定に踏み切った。
 これに対し、共産党の宮本徹氏は「中途半端なやり方では感染拡大は一層加速する」と反発。参院予算委でも立民の福山哲郎幹事長が観光支援に対する「アクセルかブレーキか分からない」と対応を疑問視した。

◆譲らない首相「経済の支えに」

 それでも、首相は事業継続にこだわった。トラベルについて「今日まで4000万人が利用しているが、コロナ陽性になったのは180人だ」と繰り返し「地域経済を支える中で極めて有力」と譲らなかった。
 質問を終えた枝野氏は記者団に対し、首相の姿勢について「危機意識が全く感じられない。GoToに対する異常なこだわりを感じた」と語った。

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