宮本信子が声優 ベテランの味 作品に深み 

2020年11月26日 07時58分
 公開中の映画「STAND BY ME ドラえもん 2」(八木竜一監督、山崎貴共同監督)で、ベテラン俳優の宮本信子(75)=写真=がのび太にとって大きな存在の祖母役で声優を務めた。年を重ねたからこそ分かる思いがあったといい、作品に滋味をもたらした。 (古谷祥子)
 人気作品の初3DCGアニメとして二〇一四年に公開されヒットした作品の続編。原作漫画の中でも名高い一編「おばあちゃんのおもいで」を基にしている。タイムマシンで過去に戻り、亡き祖母と再会したのび太。祖母の願いをかなえるため、自身の結婚式が開かれる未来へ、ドラえもんと向かう。
 臆病で泣き虫なのび太を優しく励ます声は、包み込むように温かい。未来に赴いたのび太は、大人の自分が新婦のしずかを残し、姿を消したことを知る。自己肯定感の低さゆえの行動で「誰だってそう。一人じゃ生きていけない。自分がその人にとって必要だと認めてもらえることはとても大事なこと」とのび太の祖母の心情に寄り添うように語る。
 脚本も手掛けた山崎共同監督は、夫の故伊丹十三監督作で自身も出演した「大病人」(一九九三年)のスタッフだった。再会し、伊丹組での思い出話を聞かせてもらった。「『アイデアを出すと、目をキラキラさせて面白がって、若い人の意見を聞いてくれた』と。伊丹さんはそういう人なので、情景が浮かんでうれしかった」とほほ笑む。他界から二十年以上を経ても、変わらぬ伴侶への思慕を感じさせる。
 「ドラえもん」は原作連載開始から五十年。自身の俳優人生も半世紀を超えた。「あまり過去を考えない」という性格だが、コロナ禍が来し方を振り返らせた。気落ちしかけた心持ちを、前向きに奮い立たせた。「これではいかん、と思ってスパッと切り替えた。これからどう生きられるかを考えるきっかけになった」

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