初詣での新型コロナ感染防止に「マイ柄杓」の持参も…新たな参拝方法を埼玉県神社庁が提案

2020年11月26日 11時55分

正月三が日に計200万人が参詣する氷川神社。参拝の列を一方通行にする範囲を広げる=さいたま市大宮区の氷川神社で

 新年に多くの人でにぎわう初詣。新型コロナウイルス対策で「3密」を生まない工夫が求められる中、埼玉県神社庁(さいたま市大宮区)が中心となって感染防止ガイドラインを作成した。ホームページで公開しており、30都府県の神社庁がキャンペーン「変わらない祈りのために」を展開。コロナ禍での参拝方法を提案している。(飯田樹与)
 「さい銭箱の周りがどうしても密になる。人と人との距離を最低1メートル空けると、今度は列が延びてしまう」。5日に埼玉県神社庁であった神社関係者向けの説明会。対応に頭を悩ます参加者からは不安の声も挙がった。

■ガイドラインの主な内容
(1)参拝者や職員はマスクを着用する
(2)参拝者は人との距離を保ち、静かに参拝する
(3)参拝者は人出の少ない日にちや時間を選ぶ
(4)手水舎の柄杓を撤去する
(5)さい銭箱上の鈴緒の使用をやめる
(6)臨時のさい銭箱を設置するなど、参拝者の滞留を防ぐ
(7)甘酒の提供を控える方が望ましいが、振る舞う場合は使い捨てコップを使用する
(8)露店は感染対策を行い、食品は持ち帰るよう促す
(9)職員は体調確認を行い、控室を換気し密にならないようにする


 ガイドラインの素案をまとめた同県神社庁の武田淳参事は、さい銭箱を複数置くことなどを提案。「難しい場合は参拝者にマスクを着用して大声での会話を控えてもらえれば問題ない」と説明し、冷静に対応するよう呼び掛けた。
 同県神社庁では政府の緊急事態宣言が出されたころから、事態が長引いて来年の初詣も対応が必要になるとの意見が出たという。そこで専門家の監修のもとにガイドラインを作成し、分散参拝の呼び掛けなど政府分科会の意見も踏まえ、これまでに内容を3回改訂。参拝者を迎える上での注意点や、参拝者に呼び掛けるべき内容をまとめた。
 手や口を清める手水舎には柄杓や手ぬぐいを置かず、参拝者に「マイ柄杓」の持参などを促すよう助言。露店を出す場合は参拝者にその場で飲食せず、持ち帰りを求めることも提案している。キャンペーンでは、こうした新たな参拝方法を事前に周知するよう各神社に求めており、ホームページには誰でも利用できるチラシやポスターも公開している。
 例年200万人の初詣客が訪れる氷川神社(さいたま市大宮区)は、ガイドラインも踏まえ、参拝者の動きがスムーズになるよう参道や境内で一方通行にする範囲を広げるほか、手水舎は使用をやめるという。一方で、調神社(同市浦和区)の吉田正臣宮司は「『人が大勢いる。感染するんじゃないか』と会員制交流サイト(SNS)などで発信されたら…」。前例のない正月に向けて手探りの準備が続く。
 武田参事は「インターネットで御朱印やお守りなどが買える時代だが、直接お参りすることが神社の本義。神社ごとに規模や参拝者数、建物の構造も違うが、安心して参拝してもらうため、ガイドラインを参考に対策してもらえたら」と話している。

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