新型コロナ急拡大も一方的に発信 会見は就任以来一度だけ 発進力問われる菅首相

2020年11月28日 06時00分
 
 菅義偉首相は27日、新型コロナウイルス感染症対策本部で、重症者数の急増など深刻化する感染拡大について「国民の命と暮らしを守り抜く」と強調した。コロナ対策で国民の協力は不可欠。安倍晋三前首相は節目ごとに記者会見して、国民に直接呼びかける機会が比較的多かったが、菅首相は一方的に呼びかける形の発信ばかりで、多くの記者から質問を受ける形の官邸での記者会見の開催に応じていない。(村上一樹)
 首相は、感染拡大の「第三波」の到来が指摘されるようになった今月、対策本部をこれまでに計四回開催。今後の方針や国民の協力を呼びかけているが、報道各社に公開される発言は終了前のあいさつにとどまる。
 また、官邸に出入りする際、立ち止まって記者団の質問に答える「ぶら下がり取材」については、新型コロナ対策をテーマに今月はこれまでに計4回応じているが、事前に用意された質問に一問答えるだけだ。
 26日は、観光支援事業「Go To トラベル」で感染拡大地域から出発する旅行を対象外とするかどうかなどが問われた。首相は営業時間を短縮する飲食店支援などについて答えたが、「トラベル」については何も答えずに終了。記者団が「なぜ、触れないのか」などと追加の質問を投げかけたが、立ち止まることはなかった。
 安倍前首相は今春の「第1波」の時期、2月末に会見を開いたのを皮切りに、官邸での会見を、3月は2回、5月は緊急事態宣言が解除されるまで3回、合わせて8回行った。
 一方、菅首相の会見は9月の就任時の一回だけ。内閣記者会加盟の数社が質問できるグループインタビューにはこれまで2回応じたが、多くの記者が質問できる官邸での会見は2カ月以上開いていない。
 
 加藤勝信官房長官は27日の会見で、首相が記者の質問に答える対応をするべきではないかと問われ、「対策本部で今後の対応の方向性を示し、ぶら下がりで(国民に)呼びかけている。必要な発信がなされてきていいるし、引き続きしていく」と話した。

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