<月刊 SDGs 2020年11月号>おにぎり写真が飢餓を減らす

2020年11月28日 09時09分
 10年後に目指す社会のあり方を17の目標で定めた国連のSDGs(持続可能な開発目標)の2番目は「飢餓をゼロに」。コロナ禍で農業生産や物流が滞り、アジアやアフリカの飢餓は深刻さを増している。
 自分も何か役に立ちたい。そんな気持ちをランチなどで実現できる方法を、途上国の飢餓解決に取り組むNPO法人テーブル・フォー・ツー・インターナショナルが編み出した。
 2015年から毎年、世界食料デーがある10月に実施しているおにぎりアクション。おにぎりの写真に「#OnigiriAction」を付けて、SNS(会員制交流サイト)に1枚投稿すると、協賛企業が100円を寄付し、アジア、アフリカの子どもたちに給食5食が届く。今年も20万以上の投稿があった。
 SNSを活用するアイデアは、NPOを支える学生たちから出てきたという。最近は「新規の企業から(協賛の)問い合わせがくることも多くなった」(事務局の池田いづみさん)。SDGsが企業に浸透しつつあることが背景にある。

◆規格外野菜、オンラインで 気候変動に悩む農家支援

ゲストハウスの軒先で市場に出荷できない野菜が売られている=千葉県佐倉市で

 足元では日本の食の持続可能性も揺らぐ。農家の高齢化に、近年激しさを増す自然災害が追い打ちをかける。
 昨年9月の台風15号の被災農家を支援したことがきっかけで、鳥海孝範さん(45)=千葉県佐倉市=は一般社団法人チバベジを設立した。傷などで出荷できない野菜を、運営するゲストハウスやオンラインで売り、飲食店でも活用してもらっている。
 台風直後、ニュースで農作物の被害を知り、自身のフェイスブックに農家の現状をたずねる投稿を掲載。次々と連絡が入り、ナシやトマトなどを引き取った。
 農家を悩ますのは自然災害だけではないことが、付き合ううちに分かってきた。北海道の春野菜の収穫が早まるなど、温暖化の影響とみられる異変が起きている。出荷が重なれば値崩れを起こす。農家は供給過剰と判断すれば、野菜を掘り起こして放置することもある。
 大きさや形などが出荷規格から外れたものは、畑の横に山積みされたりもする。消費者の側も形の良い野菜を求めていることがオンライン販売で見えてきた。
 野菜が畑で捨てられることがないよう、地域で価値を見いだす道筋を鳥海さんは探す。横浜や山梨、沖縄から「自分たちの地域でもやってみたい」との声も届き、仲間は広がりそうだ。 (早川由紀美)

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