多摩都市モノレール 延伸の先「同床異夢」

2020年11月29日 07時06分

箱根ケ崎駅までの延伸が決まっている多摩都市モノレール=立川市で

 多摩都市モノレールの箱根ケ崎駅(瑞穂町)までの延伸事業が決まり、その先にある羽村市とあきる野市では「さらなる延伸も夢ではない」と期待が高まっている。ただ、両市が「その先」の早期実現に向けて協力のラブコールを送る八王子市は別ルートを主張。モノレール延伸を巡り、三市には温度差がある。 (布施谷航)
 都は本年度、上北台から先の箱根ケ崎駅までの調査や基本設計の費用として一億二千万円を計上した。事業化が決定して以降、羽村市の並木心(しん)市長は商工会長と共に、あきる野、八王子を相次いで訪問し、延伸の動きをさらに進めようと協力を要請した。
 あきる野市は羽村市に同調した。市内ではJR五日市線が東西に走るが、南北の公共交通機関には乏しく、市民も「モノレールを呼ぼう あきる野の会」の準備会を発足させた。
 これに対して、八王子市の動きは鈍い。石森孝志(たかゆき)市長は「まだまだ先の話」とつれない。むしろ「南側(八王子)ルートの実現に向け活動していきたい」と両市と距離を置く。市民レベルでも、箱根ケ崎への延伸に歓迎は広がっていない。
 モノレールの路線は、箱根ケ崎駅から羽村市、あきる野市を経て北側からJR八王子駅に向かう構想路線がある一方、多摩センター駅(多摩市)から八王子駅に至る「八王子ルート」も検討されている。
 八王子市交通企画課の山崎泰弘課長は「八王子はこれまで『八王子ルート』の実現に向け、町会自治会連合会会長や商工会議所会頭などと、整備促進協議会を立ち上げてきた」と強調する。
 実際、箱根ケ崎から先の北側から八王子に向かうルートは具体的計画にまで至らない「構想路線」にとどまる。
 一方の八王子ルートは、国土交通省の交通政策審議会が二〇一六年に「多摩地域の主要地区間のアクセス利便性の向上に期待」と答申しており、八王子市は「北側のルートより実現性が高い」とみている。
 八王子ルートの沿線にはニュータウンや大学も数多くあり、八王子市には「北側のルートよりも市民にメリットがある」との判断もある。
 山崎課長は「羽村、あきる野から具体的に連携の相談があったら検討したい」と話す。だが、三市間で「北側ルート」と「八王子ルート」を巡る綱引きが表面化する可能性もあり、協力のハードルは高い。

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