6割超「障害者と関わる機会ない」 関連団体など「誰もが楽しめる」公園で調査

2020年11月29日 07時07分

みんなのひろばの利用者に聞き取り調査を行うスタッフ(右)=いずれも世田谷区で(TOKYO PLAY提供)

 背もたれのあるブランコなどがあり、障害のあるなしにかかわらず楽しめる「インクルーシブな遊具」がある公園で、関連団体などが調査したところ、公園へ行くこと自体にハードルを感じている障害者がいることや、身内に障害者がいない大人の利用者の六割以上が、普段から「障害者と関わる機会がない」と答えていることが分かった。団体は「遊具を置くだけでは一緒に楽しむことにつながらない。環境を育てる必要がある」と指摘する。 (中村真暁)
 都内では三月に都立砧(きぬた)公園に「みんなのひろば」(世田谷区)、九月に「としまキッズパーク」(豊島区)など、インクルーシブな遊具がある公園のオープンが相次いだ。
 一般社団法人「TOKYO PLAY」(渋谷区)が八月三十一日〜九月十三日、公益財団法人都公園協会と連携し、みんなのひろばに来ていた大人と子ども計二百人(障害者は二十七人)に聞き取り調査をした。
 調査では、身内や家族に障害者がいない大人百四十人のうち、子どものころを含めて障害者と関わる機会が、「よくある」「たまにある」が四十七人、「ない」が九十三人と答えた。
 調査では、子どもから「障害って何?」や「障害がある子と会ったことがない」のほか、大人から「障害は自分と関係ない」という声も。障害児の家族が「子が大声を出して嫌な目で見られないか」、子に障害のない大人が「障害児にけがをさせないか」と互いに心配し合う様子もうかがえた。

障害のあるなしにかかわらず、誰もが楽しめるようにと遊具を配置したみんなのひろば(壬生真理子さん撮影、提供)

 同法人チーフコーディネーターの神林俊一さん(34)は「障害のあるなしに関係なく、相手が分からずに不安を覚えていた。それにより、関わろうとしなくなってしまう」と危ぶむ。
 ひろばに来ない障害児らの声も聞こうと、世田谷区内の子育て支援拠点、PTAなどでも九月末時点で百三十人ほどに聞き取った。
 「迷惑をかけないよう、人がいる場所にいかない」「障害者理解が無く、心の負担が大きすぎる」といった声も聞かれた。
 健常者と障害者が共に楽しめる社会に、どうすればなるのか。
 「理解がなければ、障害児は公園にすらたどり着けない」と神林さん。「ひろばなら、障害がある子とも遊べると思って来た」という声もあったと紹介し、「障害者の悩みや思いを地域で理解し合うことが第一歩。公園から始めよう」と呼び掛ける。
 調査結果は来年三月にも冊子にまとめる。

関連キーワード

PR情報

東京の新着

記事一覧