<東京探訪>上野不忍池かいわい 生き物、品物 仲良く供養 ユニーク石碑立つ弁天島

2020年11月29日 07時07分

ハスの池に浮かんで見える弁天堂=いずれも台東区で

 上野の不忍池は、上野恩賜公園の南西に位置する。中央に弁才天を祭る弁天島があり、そこには知る人ぞ知るユニークな石碑が集まっている。
 石碑があるのは、緑青に覆われた屋根と六角形の外観が印象的な弁天堂の周辺。「ふぐ供養碑」や「スッポン感謝之塔」、「鳥塚」、「魚塚」などがあり、大きさも形もさまざまだ。

めがね之碑

 弁天堂などによると、殺生を禁じる仏教で慈悲の行いとされる「放生」の池に見立てて、商売でそれぞれの生き物を扱う業界団体が感謝と供養の意味で建てた物という。他にも日時計をモチーフにした「暦塚」や、徳川家康が使用したとされる眼鏡をかたどった「めがね之碑」、「包丁塚」など、生き物と関係のない石碑も立ち並んでいてにぎやかな様相を呈している。
 不忍池は、遊歩のために造られた堤で三つに分かれている。うち二つは人の背丈ほどもあるハスの葉がひしめくのに対して、有料のボート乗り場がある池は水面がキラキラと輝いている。優雅に泳ぐ水鳥の様子をベンチに座って眺めたり、池の周りを散歩したりと、それぞれが思い思いに楽しんでいる。
 不忍池の東側に位置する石段を上った先には、京都の清水寺を模した、国指定重要文化財の清水観音堂がある。円形にくるりと一回転した珍しい枝ぶりをした松の木は「月の松」と呼ばれており、歌川広重は不忍池と「月の松」を浮世絵に描いている。
 明治初期の台風被害で消失したが、二〇一二年におよそ百五十年ぶりに復元された。清水観音堂の舞台から松の枝が描く円の向こう側をのぞけば、弁天堂を見下ろすことができて、何だか楽しい気分になった。
 【メモ】不忍池の西側に回ると、池と弁天堂、東京スカイツリーを一緒に見ることができる。

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