反対ホームの電車を勘違いか 東陽町駅の転落事故 メトロは音声案内装置を設置

2020年11月30日 21時20分

男性が転落したホームドア開口部近くの階段脇に設置された音声案内装置(左下)=30日、東京メトロ東西線東陽町駅(江東区)で

 東京メトロ東西線東陽町駅(江東区)で白杖はくじょうを持った男性がホームから転落し、電車にはねられ死亡した事故で、男性は向かいのホームに止まっていた電車を自分側の電車と勘違いして乗ろうとした可能性があることが、警視庁や東京メトロへの取材で分かった。東京都盲人福祉協会の市原寛一理事(53)は「反対側に停車中の電車でもモーター音などで勘違いすることはあり得る」と話す。
 深川署は30日、男性の身元を江戸川区北葛西1のマッサージ師、小池行雄さん(68)と発表した。小池さんは視覚に障害があったという。
 署や同社によると、事故が起きた1番線は来年2月の稼働に向けてホームドア設置工事中で、ホームドアが開いたままの状態だった。防犯カメラには、ホームへの階段を下りた小池さんが、そのまま止まらずに乗車口方向に歩き、ホームドアの開口部から転落する様子が写っていた。
 ホームは長さ214メートルあり、事故当時は警備員2人と駅員1人がいた。ただ警備員の男性は「四方を見るように言われているが、すべてをカバーするのは難しい」と話す。同社は30日、音声でホームドアが開いていることを知らせる装置を、ホームの階段やエレベーター付近に設置した。
 29日に現場を訪れた市原さんは「都内の私鉄では、乗車部分が開いたホーム柵を設けて対策を終えているところもある。今の東陽町駅と同じ状態で危険ということだ。ホームドアを設置してほしい」と訴える。
 小池さんは都営住宅で1人暮らしだったという。近くに住む男性は足腰を鍛えるため、休日にウオーキングをする小池さんをよく見掛けた。「昨日ニュースを見て心配していたが、驚いている。きちょうめんで真面目な性格の人でした」と悼んだ。(井上真典)

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