世田谷一家殺害事件 現場住宅のフェンスに落書き複数 解決願う住民ら「許せない」

2020年12月2日 11時02分
 2000年12月に東京都世田谷区上祖師谷3の自宅で会社員宮沢みきおさん=当時(44)=一家4人が殺害された事件で、東京都が安全管理のために現場住宅の周囲に設置しているフェンスに、複数の落書きが見つかった。今月末に事件から20年を迎えようとする中、近隣住民は「地元の人なら、ここがどんな場所かは誰もが知っているはず。事件の解決を願う身として許せない」と憤った。(奥村圭吾)

◆黒のマジックペンで顔やサインなど3点

 落書きは1日午後、事件現場周辺で取材をしていた記者が見つけた。現場の住宅を取り囲むように設置されている高さ3メートルほどの白いフェンスの一角に、黒のペンで書かれたとみられる顔を模した絵やサインなど数10センチ4方の落書き3点を確認した。

事件現場を覆うフェンスで見つかった複数の落書き=1日、東京都世田谷区で

 
 さらに、隣接する都立祖師谷公園のすべり台や乗り物などの遊具からも同様の落書きが少なくとも5点見つかった。
 週に数回、公園を訪れている複数の周辺住民からは「先月29日に来たときに落書きはなかった」という声が多く聞かれ、その前後に書かれた可能性が高いとみられる。

現場フェンスに描かれた落書き

 現場の土地は事件前、公園の整備用地として都が用地買収の契約を終えていたため、都が所有する。現場を管理する都東部公園緑地事務所は落書きを把握しておらず、今後、職員が現場を確認して警察に被害届を出すことなどを検討する。

◆24時間配置の警察官、2月に引き上げ

 警視庁は事件発生から19年間、現場保存のため成城署員1人を24時間態勢で配置して警戒してきたが、今年2月に全ての証拠保全を終えたとして引き揚げていた。

現場フェンスで見つかった顔のような落書き

 現場の住宅は今年1月に取り壊される方向だったが、遺族が、事件が未解決のまま取り壊すことへの懸念を示し、延期が決まっていた。遺族の意向を踏まえ、都は、建物の撤去を猶予する契約(1年更新)を結んでおり、建物への不法侵入や放火、落書きなどを防ぐため、数10万円の費用をかけてフェンスを設置していた。

◆「人が亡くなった場所に落書きなんて」

 息子を公園で遊ばせていた近所の30代の女性は「人が亡くなった場所に落書きをするなんてあってはならないこと…。落書きがひんぱんにされるような地域ではなかったので、治安が悪化していかないか、心配です」と話した。

 世田谷一家四人殺害事件 2000年12月31日午前、東京都世田谷区上祖師谷3の会社員宮沢みきおさん宅で、宮沢さんと妻泰子さん=当時(41)、長女にいなさん=同(8つ)、長男礼ちゃん=同(6つ)=が殺されているのが見つかった。警視庁成城署捜査本部は強盗殺人事件として捜査を続けている。犯行は前日深夜とみられ、現場から犯人の指紋やDNA型のほか、犯人が食べ残したアイスクリームのカップや脱ぎ捨てたトレーナーなど多くの遺留品が見つかった。犯人はA型で身長170センチ前後の比較的若い男とみられている。

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