「海の上を走る列車」の跡を保存、公開検討 JR東日本が「高輪築堤」の出土を正式発表

2020年12月3日 06時00分

高輪築堤を途切れさせて設けられた水路の跡。奥側の陸地から東京湾に出る船が通った(JR東日本提供)

 JR高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)西側の再開発用地で見つかった「高輪築堤ちくてい」の遺構について、JR東日本は2日、出土したことを正式に明らかにし「一部の現地保存や公開展示を検討する」との方針を示した。高さ170メートル前後のビル4棟を建てる再開発への影響は「調査を進めながら検証する」と明言を避けた。
 高輪築堤は1870年に着工し、現在の田町駅付近から品川駅付近まで約2.7キロにわたって造られた。JR東によると、昨年4月の品川駅改良工事で石積みの一部を発見。同11月の線路切り替え工事後に山手線と京浜東北線のレールを撤去した区域でも、今年7月に遺構が見つかった。
 これを受けて8月に調査を開始。しかし遺構は約1.3キロにわたる長さで、石積みのほかに基礎を支えると見られるくいも多数、出土。JR東の広報担当者は「調べることがたくさん残っており、調査期間はまだ見通せない」と話す。
 現在は周囲の埋め立てで陸地の一部となった築堤だが、開業当時は列車が海上を走るようにも見え、明治初期の錦絵にも描かれた。JR東は「港区教育委員会や鉄道博物館(さいたま市)と連携して調査や研究を進め、一般の人たちを対象にした見学会も開きたい」としている。(梅野光春)

高輪ゲートウェイ駅西側の再開発で発見された高輪築堤の石垣。1872年の鉄道開業時、海岸から少し離れた浅瀬に堤を設け、その上を列車が走った(JR東日本提供)


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