吉川元農相が500万円受領か…鶏卵大手から3回 東京地検捜査

2020年12月3日 09時08分
 自民党の衆院議員(北海道2区)吉川貴盛元農相(70)が、鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の元代表(87)から計500万円を受け取っていた疑いがあることが、関係者への取材で分かった。吉川氏が農相を務めた2018年10月~19年9月の間、3回にわたり提供を受けたとされる。政治資金収支報告書への記載はなく、東京地検特捜部が経緯を調べている。

吉川貴盛元農相(2018年10月撮影)

 吉川氏は2日、「当局から説明を求められれば誠実に対応する」とするコメントを発表。不整脈で入院中といい、選対委員長代行をはじめ党のすべての役職を辞任することを二階俊博幹事長に伝えたとした。
 吉川氏は1996年の衆院選で初当選し、6期目。安倍政権で農水副大臣、農相を歴任し、自民党の農林・食料戦略調査会会長代理も担うなど、党の農政運営の中核を担ってきた。二階派の事務総長も務める。今年9月の党総裁選では、菅義偉首相陣営の事務局長だった。ある自民党関係者は「典型的な農水族議員」と評する。
 関係者によると、アキタ社の元代表は日本養鶏協会の特別顧問など鶏卵業界の要職を歴任。吉川氏とは大臣室でたびたび面会し、その際に現金を渡したとされる。同社関係者は本紙の取材に、「政治家への陳情を何十年も前から繰り返していた」と明かす。
 吉川氏の農相時には、家畜のストレスを少なくする「アニマルウェルフェア」を巡り、鶏卵業界が国際機関の示す厳格化案に反発。農林水産省に反対するよう求め、その後、案は見送られた。
 鶏卵業界は、卵の価格が下がったときに国が業者に補助金を出す「鶏卵生産者経営安定対策事業」の拡充も農水省に求めており、吉川氏の農相時に拡充の方針が決まった。
 アキタ社は全国に拠点があり、「きよら」のブランドで知られる。特捜部は7月、昨年7月の参院選広島選挙区を巡る河井克行元法相夫妻の買収事件の関係先として、アキタ社の本社を家宅捜索。押収資料を分析する中で、吉川氏の疑惑が浮上したとみられる。

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