東京五輪の新型コロナ感染対策を公表 具体策は見えず、現場は不安「本当に準備が間に合うのか」

2020年12月3日 06時00分
東京2020組織委の入る晴海トリトンスクエア

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 東京五輪・パラリンピックの新型コロナウイルス感染症対策を検討する、政府の調整会議は2日、選手に対して入国後原則として4~5日ごとに定期検査を行うなど対策の中間整理を公表した。検査や医療の整備が柱だが、現在国内で感染が再拡大する中、医療従事者や病床の支援を見通せる状況ではなく、実効性が課題となる。(原田遼)
 選手は出入国時の検査で陰性であれば、現在入国者に求めている14日間の隔離措置を免除。定期検査をした上で移動は原則専用車を使い、練習や試合以外の外出は禁じる。
 選手村、競技会場、事前合宿地では「3密」を回避し、消毒やマスク着用を徹底する。選手村内に検査分析機器や発熱外来を設け、組織委員会の拠点には選手の健康情報を一元的に管理する「感染症対策センター」を置く。
 観客に向けては入場時の体温チェックやマスク着用が盛り込まれ、収容人数の上限については来春判断する。海外からの観客にも「同程度の防疫措置」を条件に隔離措置などを免除する方針だが、具体的な対策は決まっていない。
 大会に派遣される医師や陽性者の入院先については年明け以降に地元病院などと協議し、3月までに決める。コロナ対策には約1000億円の経費が必要とされ、延期に伴う施設整備費や人件費などの増加分と合わせて約3000億円の追加経費が試算されている。

◆会見で「まだ決まってない」連発

 政府が発表した東京五輪・パラリンピックの新型コロナ対策。内閣官房の記者会見では海外からの観客対策や予算について度々質問が飛んだが、担当者は「まだ決まっていない」と繰り返した。
 全ての場面で消毒や専用車両の確保、地元医療機関との連携が必要となる。組織委のある職員は「本当に準備が間に合うのか」と不安を口にした。
 大会計画では約200カ国から選手、チームスタッフら約計2万5000人が参加。観客も海外から受け入れる。競技会場近くの病院ではクラスター発生も想定し、専用病床や機器をあらかじめ準備せざるを得ない。多言語対応も不可欠となる。
 東京都医師会の尾崎治夫会長は10月、「医療機関が疲弊し、経営状況が悪いところが増えている。協力できるかは難しい」と懸念を示した。日本医師会(日医)の中川俊男会長もこの日の記者会見で「課題は無数にある」と話した。
 42の五輪会場は9都道県にまたがり、事前合宿地は全国で100カ所を超える。さらに米国など強豪各国は期間中、独自の調整拠点としてスポーツ施設を貸し切り、競技会場や選手村と行き来を繰り返す。近年は主にプロ選手が選手村に泊まらず、自腹で高級ホテルに泊まる例も多い。

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