きょうから障害者週間 地域ケア継続へ国は関与を

2020年12月3日 06時34分

運営するリサイクルショップで談笑する古旗さん(右)ら=国立市で

 障害者への理解や社会での活躍を促進する障害者週間が三日に始まる。障害者が地域で暮らせるように「入院医療中心から地域生活中心へ」という方策が掲げられた二〇〇四年から十六年。国立市で初めて精神障害者に特化した在宅ケアを始めた一般社団法人「たまぷらねっと」の古旗真幸理事(42)は、コロナ禍で地域ケアを維持・拡充するには国の一層の関与が必要だと唱える。 (竹谷直子)
 精神障害者は、退院をしても地域での居場所など受け皿がなく、引きこもりになったり病状が悪化して再入院になるケースが多い。同法人は、精神障害者が地域で暮らすための支援態勢が不十分なことから「社会的入院」を強いられる現状を変えたいと古旗さんらが二〇〇九年に設立した。
 法人は就労継続支援としてリサイクルショップを開くほか、一緒に食事をしたりして集える場を設けている。ヘルパー派遣も手掛ける。中俣統也(とうや)さん(56)は統合失調症で約三年入院した後、同法人に通い始めた。「大学の食堂に食べにいく企画をしたり、調理の仕事をしたり、楽しい。退院してから『自分の人生』という感じがする」と話した。
 利用者を支える法人の経営状況は厳しい。精神障害者は体調によってヘルパーを受け入れないといったケースがあるため、事業所として固定した収入が得にくいという。感染予防のために通所者の人数を減らした結果、報酬も減った。古旗さんは「民間事業者は経営難になれば撤退する。そうなると障害者の居場所がなくなってしまう」と国に事業者への補償を求める。
 一方、長期入院する精神障害者はなお多い。厚生労働省によると、一七年の精神病床の入院患者約二十八万人のうち約十七万人が一年以上在院。五年以上も約九万人いる。古旗さんは「国が精神病床を減らす方向性を示し、削減できた医療費などを地域ケアに回すべきだ」と話した。
<障害者週間> 障害者が社会のあらゆる分野の活動に参加することを促進するために、2004年に国が定めた。国連の「国際障害者デー」の3日から日本の「障害者の日」である9日までの一週間、国、自治体が民間と連携しながら啓発事業の実施に努める。

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