加湿器で潤い 室内の飛沫抑制 換気とペアで感染予防

2020年12月3日 07時25分

さまざまな製品が並ぶ加湿器コーナー=名古屋市で

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、加湿器の販売が増えている。湿度が低いと、せきなどで出た飛沫(ひまつ)が空気中に長く漂うとされ、感染予防には室内の換気とともに加湿も欠かせない。特に空気が乾燥しやすい冬場、加湿器の置き方なども工夫して、部屋を上手に潤そう。 (河郷丈史)
 家電量販大手のエディオン(大阪市)によると、加湿器の売り上げは緊急事態宣言が出た四月から大きく伸びている。特に十一月以降は加湿機能付き空気清浄機も含めて前年同期の三倍以上に急増。家庭向けだけでなく、オフィスやテレワークでの需要も多いといい、取り扱い機種を増やして対応している。
 名古屋市中村区のエディオン名古屋本店では、「ウイルス対策」のポップを掲げた売り場に数十種類の加湿器が並ぶ。加湿や除湿、脱臭といった多機能なタイプから、次亜塩素酸によるウイルス抑制をうたった商品、USBから給電して卓上で使えるコンパクトな物までさまざま。加湿と換気の機能を備えたエアコンもよく売れているという。フロアマネジャーの大宮正幸さん(35)は「空気が乾燥する季節になってきたところに新型コロナの感染再拡大のタイミングが重なった。年代を問わず、湿度に敏感になっている」と話す。
 政府は十一月、寒い環境での新型コロナ感染対策を公表。室内では窓を開けるなどして常に換気するとともに、加湿器の使用や洗濯物の室内干しで湿度40%以上を保ち、室温は一八度以上を目安とするよう呼び掛けている。理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」を使ったシミュレーションでは、湿度30%の空気中でせきをすると、一・八メートル離れた人に届く飛沫量が湿度60%、90%の場合と比べて二倍以上に増えた。
 暖房器具・加湿器メーカーのダイニチ工業(新潟市)によると、加湿器は仕様の加湿能力を見て、木造や鉄筋などの建物の構造や、部屋の広さに合った商品を選ぶのがポイント。今年は新型コロナ対策で例年以上に換気が必要だが、換気のたびに乾燥した外気が部屋の中に入ってくる。広報担当の小出和広さん(52)は「換気で湿度が下がったとき、加湿能力が高いほど早く湿度を上げられる。この冬は部屋の広さにぴったりの商品よりも、一クラス大きな物がお勧め」と話す。
 加湿器の能力をきちんと引き出すために、室内での置き方も工夫する必要がある。加湿量を自動で調節するセンサー付き製品の場合、センサーの誤作動を防ぐため、エアコンの風が加湿器本体に直接当たらないようにする。その上で、加湿器から出る湿った空気がエアコンの風で運ばれる位置を選ぶのが肝心だ。
 また、暖房をかけているときは床付近が低温になりがちだ。加湿器を床に直接置くとセンサーが湿度を高めに判定することがあるため、テーブルや家具の上に置くといい。窓際は低温になる上、窓に結露が起きやすいので避けたい。

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