香り立つ 常陸秋そば 台風19号の被害越え今年は豊作

2020年12月3日 07時23分

こだわりの常陸秋そばを提供する和田範政さん=常陸太田市で

 そばどころの県内にも香り豊かな新そばの季節がやってきた。昨年は台風19号水害に見舞われ、県のブランド品種「常陸秋そば」産地の常陸太田市などが打撃を受けたが、今年は台風被害もなく、無事収穫を終えた。そば店は、新型コロナウイルスの感染防止に気を配りながら年越しの繁忙期に備える。県も地場産品を盛り上げようと、県北6市町の店を巡るスタンプラリーを開催中だ。 (水谷エリナ)
 宮本弘さん(78)は昨年十月の台風19号の際、常陸太田市のソバ畑近くの久慈川が氾濫し、収穫目前のソバの実がすべて流された。
 順調に育っていたソバを失った落胆は大きかったが、今年は天候に恵まれた。宮本さんは「よく育った」と表情を緩める。
 常陸太田市では台風19号で市内約二百四十二ヘクタールのソバ畑のうち、約16%に当たる三十八ヘクタールが被害を受けた。県によると、県全体では約千二百ヘクタールのソバ畑で浸水や倒伏が相次ぎ、被害額は九千万円以上に上った。
 それが今年は一転、豊作になった。常陸太田市農政課は「ここ数年では一番収穫できているかもしれない」と喜ぶ。

白い花を咲かせるソバ畑(10月6日、常陸大宮市提供)

 農林水産省の二〇一九年の調査によると、本県は作付面積、収穫量ともに全国六位。県が在来種を奨励品種として認定した「常陸秋そば」は旧金砂郷町(現・常陸太田市)赤土町にルーツを持ち、香りや風味、甘みに優れている。全国のそば店からは「玄ソバ(殻付きの実)の最高峰」と評される。
 常陸太田市の道の駅「ひたちおおた」内で手打ちの常陸秋そばを提供する「夢玄(むげん)」店主の和田範政さん(71)は「道の駅は市の玄関口。本物の新そばを味わってほしい」と客を迎える準備は万端だ。店では、市内の農業法人「水府愛農会」が生産するそば粉を使用。コロナ対策としてテーブルにはパーティションを置いたり、隣との間隔を空けたりしている。
 一方、県の「常陸秋そばスタンプラリー」では、常陸太田市、常陸大宮市、日立市、高萩市、北茨城市、大子町の県北六市町にあるそば店や観光施設など八十六カ所にスタンプを設置。参加者には抽選で温泉宿泊施設ペア宿泊券や県北地域の特産品をプレゼントする。
 県北振興局の担当者は「昨年はなかなか新そばが手に入らなかった店もあったが、今年は問題なく提供できる。常陸秋そばと県北地域を楽しんでいただきたい」と参加を呼びかける。
 スタンプラリーは来年一月三十一日まで。問い合わせはスタンプラリー事務局=電0120(397)004=へ。

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