東京五輪の追加経費は2940億円 東京都1200億、新型コロナで税収減「簡単に出せない」 

2020年12月5日 08時50分

 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は4日、大会延期や新型コロナウイルス感染症対策に伴う追加経費が2940億円になると発表した。東京都が1200億円、国が710億円、組織委が1030億円を分担することで3者が合意。これにより、大会経費は延期前の1兆3500億円から1兆6440億円に膨らむ。(原田遼、岡本太)
 しかし、空港での検疫など水際対策費、来日する海外選手団の事前合宿地での感染防止対策費などは含まれておらず、関連経費はさらに膨らみそうだ。

◆組織委の財源は延期による保険金500億円やスポンサーから

東京五輪・パラリンピック組織委・森喜朗会長=4日午後、東京都中央区

 組織委によると、追加経費のうち、延期に伴う分は1980億円で、内訳は施設の再整備費や人件費、システム改修費など。また、コロナ対策分は960億円で、選手の定期検査や選手村の診療所設置など。
 組織委の負担する1030億円の財源は、延期に伴って支払われる保険金500億円のほか、民間のスポンサーから新たに集めた260億円、予備費270億円となる。

3者会談であいさつする橋本五輪相=4日午後、東京都中央区

 国際オリンピック委員会(IOC)が5月に拠出を表明した8億ドル(約830億円)は、国際競技団体などの支援に充てられることとなり、大会経費には計上されなかった。
 組織委の森喜朗会長は「経費を多いとみるか少ないとみるかは主観になる。3者がそれぞれの役割に基づいて分担したので理解してほしい」と強調。小池百合子都知事は「これからも簡素化、効率化を図り、安全安心な大会に向け、都民、国民の理解を得られるように丁寧に説明をしていきたい」と話した。

◆「開催都市の責任を果たす」と小池都知事

3者会談であいさつする東京都の小池百合子知事=4日午後、東京都中央区

 五輪・パラリンピック開催の追加費用に、国と東京都の税金1910億円が投入されることになった。追加費用の総額は2940億円となったが、水際対策費など関連経費を含めれば、国民の負担はさらに増す。
 小池百合子都知事は4日、「開催都市の責任を果たす意味から、1200億円程度を負担する」と報道陣に語った。財源は前年度決算で発生した剰余金や、本年度の歳出を精査して捻出する。「来年度の予算編成には影響を与えない」と胸を張った。
 しかし、前年度の剰余金は通例なら都の貯金にあたる基金などに積み立て、コロナ対策などに支出することができる。それが大会に回ることは、コロナ対策に自由に使える財源が減ることを意味する。

◆さらに「穴埋め」の可能性

 また経済の冷え込みで、来年度の都税収入が1兆円規模で落ち込むとの予想もあり、ある都幹部は「今の都にとって簡単に出せる額ではない」と話した。
 また追加費用の財源が確保できるかも不透明だ。大会延期により、販売済みの五輪の観戦チケットの18%に当たる81万枚が払い戻しとなった。今後「三密対策」のために収容人数を大幅に減らすことにでもなれば、チケット収入がさらに減るため、穴埋めが必要になる可能性もある。

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