【詳報】菅首相会見 新型コロナ対策は?経済対策、学術会議問題どう語る

2020年12月5日 09時50分
菅義偉首相が4日に行った記者会見の詳報は次の通り。
【記者会見の流れ】
 菅首相の冒頭発言後、内閣記者会の幹事2社(各社の持ち回り制)が順に代表質問した。その後、司会の山田真貴子内閣広報官が挙手した記者の中から指名。本紙記者は指名されなかった。幹事社を含め12人が質問し、50分で終了した。
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記者会見する菅首相

【冒頭発言】
 菅内閣として初めて臨んだ臨時国会が5日閉会する。現在、新型コロナウイルスの新規感染者数や重症者数が過去最多となり、極めて警戒すべき状況が続いている。既に先週から重症者向けの病床が逼迫(ひっぱく)し始めており、強い危機感を持って対応している。国民の命と暮らしを守る、これが政府としての最大の責務だ。飲食店の時間短縮は極めて重要だ。短期集中の対策として、先週末から各地で時間短縮要請が行われており、協力をいただいた全ての店舗に対して国として支援する。

◆GoToキャンペーン

 「GoToイート」については新規発行の停止、人数制限などを要請し、「GoToトラベル」については一時的に札幌市、大阪市に向けた旅行は対象外とし、これらの地域からの旅行、また東京都の高齢者、基礎疾患を持つ方々には、利用を控えるように呼びかけている。医療機関、高齢者施設などのコロナ対策について最大限の支援を行う。保健所、軽症者のホテル、重症者用の病床はさらに体制を整える。
 今国会では、ワクチンの無料接種のための法案が成立した。安全性、有効性を最優先としつつ、承認されたワクチンを直ちに必要な方が接種できるよう事前の準備に万全を尽くす。
 年末年始を迎える。高齢者や若者をはじめ国民には、科学的にも効果が立証されているマスクの着用、手洗い、3密の回避といった基本的な感染対策を徹底するよう改めてお願いする。

◆来週には経済対策を決定

 雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、新たな成長の突破口を切り開くべく、来週早々には経済対策を決定する。雇用調整助成金は日額1万5000円の助成を行っており、こうした特例の延長に必要な予算を手当てする。
 緊急的な手当として、ひとり親世帯については来週予備費の使用を決定し、所得が低い世帯は1世帯5万円、2人目以降の子供については3万円ずつの支給を年内をめどに行う。地方創生臨時交付金を1・5兆円確保する。これらの措置によって、現在の厳しい状況を乗り越え、経済回復の足がかりとしたい。
 ポストコロナにおける成長の源泉の軸となるのがグリーン、デジタルだ。アベノミクスによって日本経済は最悪の状態を脱し、もはやデフレではない状況をつくり出した。

◆環境投資に2兆円の基金を創設

 2050年カーボンニュートラルは、日本が世界の流れに追いつき、一歩先んじるためにどうしても実現しなければならない目標だ。環境対応はもはや経済成長の制約ではない。わが国の企業が将来に向けた投資を促し、生産性を向上させるとともに経済社会全体の変革を後押しし、大きな成長を生み出すものだ。環境と成長の好循環に向けて発想の転換を行うために、今回の経済対策で、まずは政府が環境投資で一歩大きく踏み込む。過去に例のない2兆円の基金を創設し、野心的なイノベーションに挑戦する企業を今後10年間、継続して支援する。
 水素を新たな電源として位置づけ、大規模で低コストな水素製造装置を実現する。電気自動車や再生可能エネルギーの普及に必要な低コストの蓄電池を開発する。排出した二酸化炭素も、いわゆるカーボンリサイクルの技術を使ってプラスチックや燃料として再利用する。これらを政府が率先して支援することで民間投資を後押しし、世界中の環境関連の投資資金をわが国に呼び込み、雇用と成長を生み出す。また自動車から排出される二酸化炭素をゼロにすることを目指し、電気自動車などを最大限導入していくための制度や規制を構築する。

◆デジタル関係に1兆円

 デジタル化も課題を一気に解決する。マイナンバーカードの普及のため、カードを年度末までに申請した方にはマイナポイントの期限を半年間延長する。カードと保険証の一体化を来年3月にスタートし、5年後までには運転免許証と一体にし、更新時の講習や書類の提出がオンラインでできるようになる。
 今回の経済対策ではデジタル関係で1兆円を超える規模を確保する。デジタル化の司令塔となるデジタル庁は来年秋の始動を目指して現在、急ピッチで作業を進めている。情報システムの関係予算を一元的に所管し、各省庁に対して勧告是正ができる強い権限を持たせる。
 いまだ新型コロナの感染が続く中で、今大事なのは安心感、将来への希望だ。当面は何が起きても対応できるように十分な額の予備費を確保する。

◆不妊治療支援、携帯料金の値下げ

 不妊治療については保険適用を22年度からスタートし、男性の不妊も対象にしたい。それまでの間は助成制度の所得制限を撤廃した上で、助成額の上限を2回目以降も今までの倍の一律30万円で6回まで、2人目以降の子供も同様とする。これらを来年すぐに実施できるよう補正予算に盛り込む。不育症の検査やがん治療に伴う不妊も新たな支援を行う。
 携帯電話については、大手3社が9割の寡占状態を長年維持し、世界的に見ても高い料金、不透明な料金体系、しかも20%もの営業利益を上げ続けている。このような、国民として当たり前の感覚からすれば、大きくかけ離れている事実に問題意識を持ってきた。個々人の料金負担が本当に下がっているのか。必要に応じてさらなる対応をとる。
 菅内閣において重要なのは、変化に対応するスピードと国民目線の改革だ。まずは新型コロナを何としても乗り越え、経済を回復させる。国民のため働く内閣として全力で取り組む。
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