2019・演劇 若手活躍の場広がる 新作歌舞伎が人気博す

2019年12月30日 02時00分

存在感を示した仲代達矢=石川県七尾市で

 若手クリエーターが活躍の場を広げ、ベテランの充実した仕事ぶりが光った現代劇。歌舞伎で漫画や童話を原作とした新作が人気を集めるなど、古典もにぎやかだった。
 ▽存在感
 若手演出家のトップランナー、藤田俊太郎がミュージカル「VIOLET」で英ロンドンデビュー。劇団四季は、劇団内からフレッシュなスタッフを選出し、オリジナルのファミリーミュージカル「カモメに飛ぶことを教えた猫」を制作。来年はリニューアルオープンする新劇場で「アナと雪の女王」などを上演する。
 演出家鈴木忠志主宰の「SCOT」の本拠地、富山県に世界の演劇関係者が集い「シアター・オリンピックス」を開催。
 こまつ座が井上ひさし没後十年を記念した企画「井上ひさしメモリアル10」で六作を上演。こまつ座作品も多く手掛ける演出家栗山民也は「CHIMERICA チャイメリカ」「人形の家PART2」などで充実した仕事ぶりを見せた。
 野田秀樹は英ロックバンド「クイーン」の楽曲を使った舞台「『Q』:A Night At The Kabuki」を上演。渡辺謙はミュージカル「王様と私」日本公演で、国王を全編英語で演じた。仲代達矢は「ぺてん師 タルチュフ」に主演し、変わらぬ存在感を示した。
 ▽花盛り
 歌舞伎界は、新作が花盛り。三谷幸喜が漫画を原作に描いた「月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)」や、宮崎駿の漫画を基にした「風の谷のナウシカ」、坂東玉三郎らがグリム童話をアレンジした「本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)」と相次いだ。中村獅童がCGのバーチャルアイドル初音ミクと“共演”する「超歌舞伎」は京都・南座で上演された。
 市川海老蔵は一月、来年五月に大名跡の團十郎を継ぐと発表。今年七月には十三役早替わりの「星合世十三團(ほしあわせじゅうさんだん)」に挑み話題を呼んだが、体調不良で一部休演となった。
 大阪の国立文楽劇場が開場三十五周年を迎え、文楽の「仮名手本忠臣蔵」を上演した。能楽界では、狂言の重鎮野村萬が文化勲章を受章。茂山千五郎家の主軸を担った五世千作が九月に死去した。
 演芸界は、落語で三遊亭歌之介の四代目円歌襲名、上方の桂きん枝の四代目小文枝襲名、柳亭小痴楽の真打ち昇進とにぎやか。来年二月の真打ち昇進時に六代目神田伯山を襲名すると発表した講談の松之丞は人気が続いた。
 沖縄の歌舞劇「組踊(くみおどり)」は創始三百年を迎え、国内各地で公演を開催。ゆかりの首里城(那覇市)は正殿などが十月に焼失、関係者は城の復元に向け寄付を呼び掛けた。

今月2日、真打ち昇進と六代目「神田伯山」襲名に向け、記者会見する神田松之丞=東京都台東区で

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