安倍氏公設秘書の略式起訴検討、正式裁判が開かれない可能性 「桜」夕食会で東京地検

2020年12月5日 10時46分
2019年4月、「桜を見る会」であいさつする安倍前首相=東京・新宿御苑

2019年4月、「桜を見る会」であいさつする安倍前首相=東京・新宿御苑

 安倍晋三前首相の政治団体が「桜を見る会」前日に主催した夕食会を巡り、東京地検特捜部が、安倍氏の公設第一秘書を政治資金規正法違反(不記載)の罪で略式起訴する方向で検討していることが、関係者への取材で分かった。不記載額のうち1年当たりの補てん分が、百数十万~二百数十万円と巨額ではないことなどを考慮しているとみられる。
 略式起訴となれば、簡裁が罰金刑を出すことになり、正式な裁判は開かれない。夕食会を巡り安倍氏側がなぜ補てんをしたのか、公開の法廷で明らかにならなくなる。
 夕食会は、公設第一秘書が代表を務める政治団体「安倍晋三後援会」が2013年以降、地元山口県の支援者らを招き、都内の高級ホテルで毎年開催。一人5千円の会費だけでは支払額に満たず、安倍氏側が15~19年の5年間で約900万円を補てんした疑いが持たれている。
 公設第一秘書は任意の事情聴取に、補てんを認めた上で「政治資金収支報告書に記載すべきだった」と話しているとされる。
 特捜部は、後援会が夕食会の費用全額の収入と支出を収支報告書に記載すべきだったとみている。ただ、ホテル側は夕食会当日に、安倍氏側が参加者から集めた会費を受け取っており、後援会の会計には入金されていないとみられる。
 特捜部は、安倍氏側による長年の補てんについては一定程度の悪質性を認めているものの、一年当たりの実質的な不記載額は大きくないとみている。容疑を認めていることを踏まえれば、罰金刑が相当と考えているもようだ。
 特捜部は安倍氏本人に任意での事情聴取を要請している。近く行われる見通しの任意聴取で、安倍氏の認識などを確認した後、刑事処分について最終判断するとみられる。

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