新たな「働き方」広がり発展して 労働者協同組合法の成立報告会
2020年12月5日 13時59分
労働者協同組合法の制定を目指してきた関係団体や、成立に尽力した国会議員らは4日、国会内で報告会を開き、法律に基づいた新しい働き方が広がることに期待感を示した。(柚木まり)
日本労働者協同組合連合会の永戸祐三名誉理事は「衆参両院の厚生労働委員会と本会議いずれも全会一致で可決された」と喜びをかみしめ、「今後は市民運動としても『協同労働』の新たな働き方を発展させていきたい」と語った。
法案作成に携わった自民党の後藤茂之衆院議員は「組合員それぞれの意見を反映して事業を行う。地域を支える大きな推進力になってほしい」と指摘。立憲民主党の大河原雅子衆院議員は「コロナ禍で世界中が痛んでいる中、これまでと違う働き方や生き方を示し、働くことにわくわくするような内容だ」と述べた。
法案の取りまとめ役を務めた公明党の桝屋敬悟衆院議員は本紙に「立法府で取り組みが始まって12年。全会派一致で成立を見たことは感慨深い。今後は協同労働を応援する議員連盟を立ち上げ、政省令の策定などを見守っていきたい」と話した。
◆「持続可能な地域づくり実現へ 知られ活用されること待望」
日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会の古村伸宏理事長の話 念願の労働者協同組合法が成立しました。この法制化に関わった全ての方々に深く感謝いたします。働く人の主体性と協同性を育み、みんなが個性を発揮する協同労働が社会的な仕組みとなります。コロナ禍の困難と地球環境の危機に直面する中にあって、誇りと尊厳に満ちた協同労働が広がり、さまざまなつながりを取り戻し、持続可能で活力ある地域づくりの実現に資するように、広くこの仕組みが知られ生かされることを待望します。
◆「生活課題に取り組んだ40年の事業思い…目頭熱くなった」
ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパンの藤井恵里代表の話 私たちの働き方「協同労働」が社会的に位置付けられ、国民に認知される時が来ました。大勢の先人たちは制度がない中、約40年もの間、市民のニーズに応える事業を非営利で行い、生活課題を解決し続けてきました。待ちに待った法制化です。採決の場面、全議員が起立し「本当に成立するんだ」と確信した瞬間、目頭が熱くなりました。感謝しかありません。地域おこしや仕事おこしに世代を超えて活用され、無数の多様な組合が全国に広がることをイメージすると心が躍ります。
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