障害者から多くを学ぶ ハビエル・フェセル監督 スペイン映画「だれもが愛しいチャンピオン」

2019年12月19日 02時00分
 知的障害者のバスケットボールチームを率いるコーチと選手の奮闘をテーマにしたスペイン映画「だれもが愛(いと)しいチャンピオン」が二十七日、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町など全国で公開される。ユーモラスに温かく描いたハビエル・フェセル監督は「観客は作品をコーチの視点で見るが、コーチ同様に最初は驚き、やがて『人はそれぞれ違う魅力がある』と思うだろう」と話す。 (竹島勇)
 二〇一八年のスペイン映画年間興行収入トップとなった作品。プロのコーチを務めるマルコ(ハビエル・グティエレス)は負けず嫌いで短気。監督とトラブルを起こして解雇される。その上、飲酒運転事故により判事から社会奉仕活動を命じられ、知的障害者チーム「アミーゴス」の指導をすることに…。
 「アミーゴス」の十人はそれぞれが個性的で自由奔放だ。指示が通じないマルコは戸惑い、途方に暮れるが、純粋で情熱とユーモアにあふれたメンバーに愛着が湧き、マルコも人間的に成長していく。
 実在したチームについての記事をもとに書かれた脚本を映画化したフェセル監督は「オーディションで個性豊かなメンバーが集まり、脚本を彼らに合わせて書き換えた。撮影は想定通りにはいかない面もあったが、それが魅力となり、名優グティエレスが演技で受けとめた」とたたえる。
 フェセル監督自身が「障害というのは周囲のレッテル貼りにすぎず、人はそれぞれ違うから素晴らしいということを彼らから学ばせてもらった」と明かす。ヒットした理由を「見た人が『すごく笑えて、泣ける』と広めてくれた」と笑顔で分析した。
 アミーゴスのメンバーとして出演した十人は一躍有名人になった。ある出演者はメディアのインタビューで「続編があったらまた出たいか」と質問されると、「出たいけど、スペインにはほかにも知的障害者がいる。彼らに私と同じ素晴らしい映画体験をしてほしいから、私は出ない」と答え、フェセル監督は感動したという。

「だれもが愛しいチャンピオン」から

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