あす公開「スター・ウォーズ」完結編 陰で支えるCGモデラー・成田昌隆さん

2019年12月19日 02時00分

自ら制作にかかわったミレニアム・ファルコンの模型を手にして話す成田昌隆さん=東京都港区で

 米のSF映画シリーズの完結編「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」(J.J.エイブラムス監督)が20日公開される。シリーズのCG技術を2015年から手掛けているのが日本人クリエーター成田昌隆さん(56)だ。デザイン画をCGにより、立体的な造形物にするモデラー(造形作家)として、大人気作を支える。「最終作にかけたスタッフの意気込みを感じてもらえる」と胸を張る。 (竹島勇)
 宇宙を舞台にした壮大な物語のシリーズは、一九七七年に第一作が公開され、今回の第九作でラストを迎える。成田さんはこれまでの作品で高速船ミレニアム・ファルコンなどに携わった。「これが最後なんだなあと思いながら作った」と心情を語る。サンフランシスコの自宅とオフィス間の車での通勤時や、愛猫とじゃれあう癒やしの時間にアイデアが浮かんだという。
 四十六歳で異業種からこの仕事に飛び込んだ。一九六三年、愛知県扶桑町出身。映画好きではあったが、職業にする発想はなかったという。名古屋大学工学部を卒業し、NECへ入社。再就職先の日興証券でIT部門に配属され、九三年に米シリコンバレーに赴任した。九五年に「トイ・ストーリー」を見て、フルCGアニメで映画が作られたことに心を動かされ、本格的にCGの勉強を始めた。
 二〇〇八年に四十五歳で退社、四十六歳でハリウッドでデビュー。「アイアンマン3」などの作品を経て、「スター・ウォーズ」シリーズには「フォースの覚醒」(一五年)から参加した。「好きだった映画とCGが結びついて仕事になった。毎日オフィスに行くのが楽しくて仕方ない」
 ただ、多くの人がCGモデラーを誤解しているという。「二次元の絵をCGソフトで立体的にするのではない。いかに絵を本物の高速船や人に見えるようにするか、各自が工夫する。高速船の見えない部分にどんな機械が埋め込まれているかまで考えて形にする。CGモデラーは彫刻家です」と言い切る。
 好きな仕事に打ち込める楽しさの一方で「ハリウッドには次々と新たな才能が集まる。だからこの立場に居続けるのが大変。常に100%の結果を出すしかない」と厳しさも語る。「迷ったら常に難しい選択肢を選び、監督やプロデューサーを満足させる。それを毎日続けるしかない」。プロフェッショナルの矜恃(きょうじ)をにじませた。
 本作も通過点の一つ。今は「インディ・ジョーンズ」次回作のCGモデラーの座を狙っている。

来日した(前列左から)製作のキャスリーン・ケネディ、J.J.エイブラムス監督ら=東京・六本木ヒルズアリーナで

関連キーワード

PR情報

芸能の新着

記事一覧