<12月の窓>タヌキに出会う深夜の別世界

2020年12月6日 06時00分

深夜の住宅街で男性が撮影したタヌキ

 「こんな都会で、頻繁に会うなんて」。人々が寝静まった夜の街にたびたび出没するタヌキを、東京都豊島区内で新聞配達をする男性(63)が撮影し、本紙に写真を送ってくれた。
 男性は新型コロナウイルス禍での生活を安定させるため、約2カ月前から新聞販売店でアルバイトしている。2年前に同じ店で配達していた時にはタヌキはあまり見なかったが、最近は朝刊の配達中によく出くわす。シャッターチャンスを逃さないようカメラを持ち歩いて1週間、やっと撮影できたという。
 今月初めの午前2時半ごろ、西武池袋線東長崎駅にほど近い住宅街でバイクを止めて新聞を配達中、前方から自分の方へ向かって歩いてきた姿をとらえた。「ひょっこり出てきて、コロコロ太っていた。写真を撮ったらすぐ消えちゃったけどね」
 専門家によると、タヌキは雑食で夜行性。都心でも公園や茂みがある場所では生息できるという。ただ、寄生虫や病気を持っている可能性もあるため、触れない方がいいそうだ。
 別の地区を担当する同僚らに男性が話すと、数人が「よく見るよ」と言う。「東京の街で生活して見えている昼間の世界と、新聞配達員が知る深夜は別の世界。タヌキに化かされたのか、なんて、不思議な気分になりますね」(奥野斐)

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