八王子城跡で「いろり」確認 北条氏照のサウナか?台所か? 市が御主殿跡調査

2020年12月6日 07時05分

調査で見つかったいろりの跡=八王子市で

 戦国武将の北条氏照(1541?〜1590年)が居城とした国指定史跡・八王子城跡の調査を行った八王子市は、氏照の館があった「御主殿(ごしゅでん)」の建物跡でいろりのような痕跡が確認されたと発表した。現代のサウナにあたる「湯屋」か、台所のような使われ方をしていたと推定されるという。 (布施谷航)
 八王子城跡の調査は二〇一三年以来七年ぶり。十一月九日〜十二月一日にかけて、氏照が政務を行っていた「主殿」と、来客をもてなしていた「会所」の西側で行った。過去の調査で何らかの建物があることは分かっていたが、建物内部に石で囲まれた部分の土が赤く焼けている「いろり」の跡が見つかった。近くには炭の破片も残っていた。
 市文化財課の村山修学芸員は「来客をもてなす前に汚れを落とすための湯屋として使われたか、会所で接待をするときに料理を作った台所だった可能性がある」と指摘する。

◆落城の混乱伝える 火縄銃弾や銅銭も

調査で見つかった銅銭(上)と火縄銃の弾(いずれも八王子市教委提供)

 礎石の一部には柱が焼けた跡のほか、建物内部からは火縄銃の弾や銅銭「永楽通宝(えいらくつうほう)」も見つかっている。一五九〇年に豊臣秀吉が北条氏の拠点だった小田原城を攻めた際、八王子城も前田利家や上杉景勝の軍勢に攻略されており、落城時の混乱ぶりがうかがえるという。
 調査は建物の一部の約百平方メートルの範囲で実施。実際はより大きな建物だったとみられる。調査箇所はいったん埋め戻した上、今後さらに調査を進めるという。発掘された火縄銃の弾や銅銭は、詳細を確認してから公開する予定だ。
 村山学芸員は「八王子城跡を含む文化財が『日本遺産』に認定された年に、八王子城の姿を知る有意義な調査ができた」と話している。

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