免田栄さん死去 元死刑囚、初の再審無罪

2020年12月6日 07時23分
 一九四八年に熊本県人吉(ひとよし)市で一家四人が殺傷された「免田事件」で死刑が確定し、八三年に死刑囚として初めて再審無罪になった免田栄(めんださかえ)さんが五日、老衰のため死去した。九十五歳。熊本県出身。葬儀・告別式は六日、近親者で行う。喪主は妻玉枝(たまえ)さん。
 事件は人吉市の祈祷(きとう)師宅で夫婦が殺害され、娘二人も重傷を負った。免田さんは犯行を自白したとして強盗殺人罪で起訴された。熊本地裁八代支部での第三回公判からアリバイを主張し犯行を否認したが死刑が言い渡され、五二年に確定した。獄中から無実を訴え続け、六度目の再審請求で八〇年十二月、刑事裁判史上初めて死刑囚に対する再審が決定。地裁八代支部は八三年七月、事件当夜のアリバイを認め、自白は信用できないとして無罪を言い渡した。
 その後、獄中で書きためた手記を出版。各地の再審請求事件を支援し、講演で冤罪(えんざい)の恐ろしさや死刑廃止を訴え続けた。
 五日夜に営まれた通夜の後、玉枝さん(84)は取材に応じ「(釈放され)出てきた時の免田は本当に目が鋭かったが、二、三年たって優しい目になった。最近は、暖かい日には車いすで、外の空気を吸いに出ることもあった」と話した。

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