コロナワクチン準備急ぐEU各国 フランスは「接種強制せず」、ハンガリーはロシア製導入を模索

2020年12月6日 18時27分
 【パリ=谷悠己】英国が米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルス用ワクチンをいち早く承認したことを受け、欧州連合(EU)諸国がワクチン準備を急いでいる。英国に負けじと早期導入を誓う国や、副作用への不安などから躊躇する人への説得を試みる国、EU一体での調達計画に抵抗する国など、ワクチンを巡る思惑が交錯している。

12月4日、英コベントリーの大学病院で、新型コロナウイルスのワクチン接種の訓練をする医療スタッフ=AP

 「あと数週間の問題だ」。フランスのカステックス首相はワクチン導入計画を発表した3日の記者会見でこう強調。別の政府高官は「英国が早期に承認したのはEU離脱の効果では決してない」と付け加えた。
 フランスは15億ユーロ(約1900億円)を投じ、国民健康保険の加入者への無料接種を約束。高齢者施設の入所者100万人を対象に1月初旬から接種を開始し、2月には重症化リスクが高い1400万人、その他の国民は春以降と、3段階に分け接種する計画だ。
 ベルギーメディアによると、デクロー首相も2日、「1月5日から接種が可能だ」と発表した。
 EUは加盟国への分配用にメーカー6社と計20億回分の供給で合意。29日までにファイザー製ワクチンの承認の是非を判断する方針で、加盟国での接種は年明けになる見通しだ。
 感染拡大防止の鍵を握るとみられるワクチンだが、フランスのベラン保健相は3日の会見で「恐怖心に対しても免疫をつけなければいけない」とも口にした。
 仏紙ルモンドによると、仏国民の1割は接種に反対、4~5割は躊躇しているとの調査結果がある。科学主義と距離を置く敬虔なカトリック教徒や自然派志向の人が一定数いるためとみられ、仏政府はあえて強制化せず接種を呼び掛ける方針だ。イタリアやスペインでも躊躇する人が多く、広報戦略が重要になる。
 EUのコロナ復興基金創設を拒否しているハンガリーはEUが合意していないロシア製ワクチンの導入を模索。EUの医薬品規制当局は「加盟国が合意外のワクチンを導入する場合は期間限定とし、有事には全責任を取るべきだ」と、ハンガリーの動きをけん制している。

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