砂漠に落ちたカプセルを回収する。それは大変な作業に違いない…

2020年12月7日 07時58分
 砂漠に落ちたカプセルを回収する。それは大変な作業に違いないのだが、ロケット打ち上げや三億キロ離れた小惑星りゅうぐうへの着陸作業に比べれば…というシロウト考えを恥じるばかりである▼小惑星探査機はやぶさ2のカプセルが地球に帰ってきた。カプセルはオーストラリアの砂漠で無事に回収された。良かった▼当然ながら回収にも入念な準備がいる。りゅうぐう到着前の二〇一八年四月から「回収隊」を結成し、この日に備えていたそうだ▼オーストラリア側との調整、回収手順の確認。見失うわけにいかない。はやぶさ2が苦労して持ち帰ってくるのは生命誕生の謎を解くカギの入った玉手箱である。コロナの影響で、現地入りするメンバーも絞らざるを得なかったそうだ▼夜空を走る火球。カプセル帰還の映像に胸が熱くなるのはどうしてだろう。孤独でひたむきな人物を重ねたくなる、はやぶさ2のけなげな「人柄」に加え、そこに携わる人間の努力や意志を火球の光の中に見ているのかもしれない▼「大人は凄(すご)いことをやっている。とんでもないことに挑戦し、面白い未来を作っている。未来には希望はしっかりあり、大人になることは楽しいことだ。そう子供たちに感じてほしい」。はやぶさ2の意味をプロジェクトマネジャーの津田雄一さんが書いていた。そうか、あの火球は希望。泣けてくるわけである。

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