気象現象 「インスタ映え」で目玉に

2020年12月8日 07時08分

2018年1月に全面結氷した払沢の滝=東京都檜原村で(一般社団法人 檜原村観光協会提供)

 気象が生み出す現象は、地域独自の観光資源になる可能性を秘めています。オホーツク海の流氷ツアー(北海道)や、雪の壁の間を走り抜ける立山黒部アルペンルート(富山・長野県)などはすでに有名ですが、関東地方でも気象現象を観光に活用している地域があります。
 「霧」を活用しているのは、埼玉県秩父市。晴れた日の夜間は、地面から熱が逃げて気温が下がる「放射冷却」が起きます。すると、空気に含まれていた水分が冷やされて凝結し、霧が生じます。冷たいペットボトルに水滴が付くのと同じ原理です。
 秩父市街地は周囲を山に囲まれた盆地にあるため風通しが悪く、一面が霧に覆われます。山から眺めると、まるで雲海の中から市街地が浮かび上がってくるように見えます。市は、市内の橋や工場を「天空の橋」「天空の工場」などとしてPRしています。
 このほか、東京都檜原村では、「日本の滝百選」に選ばれている払沢の滝に注目。真冬の非常に寒い日には氷瀑となることもあり、「結氷率」が最も高い日を予想する「氷瀑クイズ」を実施。フォトコンテストも行っています。千葉県では近年、蜃気楼(しんきろう)が見られるようになり、新たな観光資源としての期待が高まっています。
 こうした気象現象は気温や湿度、風向きなどに左右されるため、行けば必ず見られるものではありません。だからこそ、「価値あるもの」になるのではないでしょうか。国内ではこのような「インスタ映え」する気象現象が数多くあります。
 コロナ禍で「マイクロツーリズム」に注目が集まっています。身近で起きている気象現象も、ひょっとしたら観光の目玉になるかもしれません。 (布施谷航)

PR情報

社会の新着

記事一覧