オンラインで笑いまショー 芸人の高齢者慰問、コロナ時代に進化…神奈川の施設で試み

2020年12月9日 06時00分

画面越しのクイズに正解し、盛り上がる高齢者と施設職員ら=川崎市宮前区のヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ1で

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため外部との交流や家族の面会の制限が続く高齢者施設に、オンラインで笑いを届けようという取り組みが神奈川県内で試験的に進められている。施設内で行うレクリエーションと同じように笑ったり拍手したりする入所者の姿に、施設の責任者らは「一つの有効な手段と分かった」と手応えを感じている。(杉戸祐子)

◆大画面に「レギュラー」が登場

 「こんにちは」
 川崎市宮前区の介護付き有料老人ホーム「ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジ1」の多目的ホールに、吉本興業所属の男性コンビ「レギュラー」の元気な声が響いた。「レクリエーション介護士」という民間資格を持つ2人のテンポの良い話に、70~80代の入所者17人は一斉に拍手を送り、食べ物や旅行の話題でやりとりした。クイズでは名答に盛り上がったり“迷答”に皆で笑ったり。座ったまま手を動かすゲームも盛り込んだ1時間の「介護レクリエーション」を満喫した。

◆横浜から中継 来春以降に商用化も

 入所者を笑いの渦に巻き込んだレギュラーの2人だが、施設から遠く離れた横浜市内のスタジオにいた。それぞれに大型モニターとカメラなどを使い、オンラインでつなぎ、画面越しに相手の姿や声を見聞きし、コミュニケーションをとっていた。
 同ホームは今春以降、感染防止のため、外部講師を招いた体操教室やアニマルセラピー、音楽演奏などのレクリエーションを中止している。参加した80代女性は「オンラインは初めてだったが、気持ちが通じる気がして楽しかった」と喜んだ。70代女性は「新型コロナで外出もできない。またやってもらいたい」と話す。
 こうした試みは、吉本興業や通信システムを提供するNTT東日本などが10月から県内4カ所の高齢者施設で実施している。オンラインでのコミュニケーション方法や配信環境などの検証を進め、来年4月以降の商用化を目指している。

◆「笑って、生きがいづくりを」

 コンビの西川晃啓さん(41)は「テンポが速くなりすぎないように気をつけている」と工夫を明かす。松本康太さん(41)は「新型コロナで楽しみが減り、感染の心配もある中、とにかく笑ってほしい。生きがいをつくり直してもらえたら」と願いを話す。
 同ホームの岩佐茂支配人(57)は「目の前で直接やらずに伝わるのか懐疑的な思いもあったが、画面越しでも入所者はよく反応していた。今だけでなく、アフターコロナを見据えても有効な手段」と期待を込めた。

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