新型コロナ PCR検査「プール方式のモデル地区に」 船橋市長が厚労相に緊急要望

2020年12月9日 10時02分

田村憲久厚労相(右)に、「プール方式」でのPCR検査導入を求める松戸徹船橋市長=東京・霞が関で(同市提供)

 新型コロナウイルスの感染確認が相次ぐ中、PCR検査の数を大幅に増やすため、船橋市の松戸徹市長は八日、田村憲久厚生労働相に面会し、「プール方式」の導入を求める緊急要望書を提出した。厚労省はこの方式に慎重姿勢で、国内では大規模な実証実験などが行われていないため、松戸市長は「全国的な導入が難しいなら、船橋をモデル地区にしては」と提案。田村氏は「検討したい」と応じたという。 (保母哲)
 プール方式では、複数の検体をまとめて検査することで、検査数の増加や費用の削減が可能になるとされる。このため松戸市長は、田村氏に船橋の状況を説明しながら「(現在は)医療体制の構築とともに、感染の発生源を早期に抑えることが必要」と述べ、プール方式の導入を求めた。
 厚労省は「陽性者を陰性と把握することがある」などと信頼性を課題とし、プール方式によるPCR検査の導入に慎重姿勢を続けている。このため松戸市長は、米国やドイツ、スペイン、中国などでの実施例を持参した資料で示した。
 松戸市長は田村氏との面会後、船橋市役所で記者会見し「感染が判明した人のうち、施設に入っている人の重症化リスクが高い。感染者の周囲の人を早期に検査する必要があり、大勢の人を検査できるプール方式が有効だと考えている」との考えを改めて示した。
 また、市側は「まずは福祉施設職員を対象に」として、船橋で導入した場合を試算した。市内の福祉施設職員ら計約六千三百人に実施する場合、現在の検査体制では対象者が多すぎて対応できず、民間検査会社に委託するため、費用は一カ月当たり一億三千万円余となる。プール方式を導入すると、現在の市保健所の体制で対応できるとした。
 この方式を市単独で行うことは「検査体制や費用面などから現実的でない」(松戸市長)として、国費が充てられる行政検査での実施を厚労省に求めている。
<「プール方式」のPCR検査> 現在の検査は、1検体を1本の試験官に入れて行っている。プール方式では複数の人から採取した検体を、1本の試験官にまとめて混ぜ、陰性か陽性かを判断する手法。陰性なら全員が陰性と判断でき、陽性の場合は1人分ずつ個別に再検査など行い、陽性の人を割り出す。長所として時間やコストが低くすむことが挙げられている。

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