「黄金イクラに...」 ロシアでサケ・マス不漁のため高騰 日本のお正月料理に影響も

2020年12月9日 12時00分

ロシアで価格が急騰しているイクラ

 ロシアでサケ・マスの漁獲量が落ち込み、イクラなどの価格が高騰している。新年の定番食材とあって市民からはため息も漏れる。主要な輸出先である日本にも影響が及びそうだ。(モスクワ・小柳悠志、写真も)

◆3年で5割の値上がり

 年の瀬を迎え、活気にあふれるモスクワ中心部のドロゴミロフスキー市場。ロシアでは新年、パンにイクラを載せて食べる習慣があり、業者にとって書き入れ時だ。日本ではサケの卵を塩などで漬けたものをイクラと呼ぶことが多いが、ロシアではサケ・マス問わず「赤イクラ」と呼ぶ。
 「ここ3年で赤イクラは5割も値上がりした」と水産加工品販売員のイリーナさん。現在の赤イクラの小売価格はサケ・マスともに1キロ5000ルーブル(約6900円)。「赤イクラが黄金イクラになった」と紹介するメディアもある。

モスクワの市場でイクラの試食を勧める店員

 モスクワ市民の声はさまざまだ。会社員のキリルさん(36)は「高くても新年のお祝いムードに必要なので買う」。求職中のスベトラーナさん(28)は「他の食材で代用するしかない」と話す。

◆不漁の原因は地球温暖化か

 ロシア通信などによると、ロシア極東のサケ・マスの水揚げ量は10月までに約30万トンにとどまり、前年の4割減だった。カムチャツカ半島では漁獲量がここ10年間で最少で、マガダン州も目標の半分しか取れなかった。国営放送は、地球温暖化による餌場の環境変化が不漁の原因とする専門家の見解を伝えている。
 一方、日本のサケの漁獲量は2000年代から急激に減少。イクラなどの魚卵の供給元として存在感を高めていたのがロシアで、豊漁だった18年ごろからサケ不漁に苦しむ日本の「救世主」に。ロシア産マスの卵は、回転ずしのイクラのネタとして重宝され、ほとんどの大手すしチェーンは原産地をロシアと明記している。

◆択捉島など北方領土も主な漁場

 11月20日現在の北海道の秋サケ漁獲量は、1560万匹と、大不漁とされた前年から横ばい。
 北海道漁連によると冷凍品のイクラの賞味期限は通常2、3年だが、19年のイクラ生産量が落ち込んだため、在庫もほぼ尽きている状態だという。
 ロシアの報道によると今年は沿海地方から10月末までに日本に輸出されたサケ・マスの卵は500トン弱で、18年の半分以下にとどまっている。ロシアが実効支配する択捉島など北方領土も主要な漁場として知られる。

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