絵本を届けるサンタクロース 新型コロナで受け取り希望者が倍増

2020年12月9日 12時00分
 経済的困窮や災害に遭うなど厳しい環境にいる子どもたちへのクリスマスプレゼントとして、絵本を贈る取り組み「ブックサンタ」が進行中だ。今年は新型コロナウイルスの影響もあって、受け取り希望の家庭が昨年の2倍近くにまで増えた。主催するNPO法人チャリティーサンタ(東京)の担当者は「子どもたちも我慢することが多かった1年。温かい気持ちを届けたい」と話している。(長壁綾子)

◆贈りたい人が絵本を購入して書店に寄付

 NPOは子どもの思い出となるイベントを企画運営している。今年で4年目を迎えたブックサンタは、贈りたい人が購入した絵本を書店に寄付し、事前に希望した各地の子どもたちへ届ける取り組み。子どもから「サンタから贈られた絵本と手紙を何度も読み返している」との感想が届くなど好評だ。
 絵本の受け取りを希望した家庭は昨年のほぼ倍の約1200件。応募の際にアンケートをとると、4割近い家庭が新型コロナの影響で収入が減ったり、職を失ったりしているという。

◆コロナの影響で収入減や失業の家庭も

 NPO代表理事の清輔夏輝さん(36)は「もともと経済的に楽ではなかったが、こうした支援を受けずに頑張ってきた人たちがコロナで打撃を受け、本当に苦しくなって声を上げているように感じる」と話す。

昨年のクリスマスイブ。サンタ役のボランティア(左)から絵本を受け取る子ども

 今年も今月24日のクリスマスイブに、NPOが手配したサンタクロース姿のボランティアが直接家庭を訪れ、子どもたちに絵本を届ける。ただコロナ禍の今年は感染対策も欠かせない。ボランティアの体調確認、マスクや手袋の着用、子どもたちに直接触れない、滞在は短時間にするなど対策を講じて実施する予定だ。

◆全国307書店が「ブックサンタ」に参加

 絵本は、趣旨に賛同した書店で購入する。本のテーマは問わない。昨年から25店増え、36都道府県の307店が参加している。書店を介してNPOに集まった絵本は11月末日現在、2884冊。手軽な社会貢献活動として、年々届ける絵本の数は増えている。

書店の「ブックサンタ」専用コーナーには、クリスマス向けなどの絵本が並ぶ=東京都港区で(坂本亜由理撮影)

 参加する書店「リブロ汐留シオサイト店」(東京都港区)では、児童書コーナーと別に、専用コーナーを設けクリスマス向け絵本など約10冊を並べた。同店の河又美予さん(47)は「児童書コーナーは小規模ですが、毎年子どもたちへ贈る絵本を選ぶのを楽しみにしてくれているお客さんもいる。今年もクリスマスが近づくにつれて増えていくのでは」と期待する。
 寄付は24日まで受け付ける。イブに届けられなかった本は来年子どもたちに届ける。ネット書店やクラウドファンディングからも可能。参加書店やボランティア募集など詳細はホームページ(「ブックサンタ」で検索)で。

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